茶の新芽を見て思うこと

 お茶の新芽が出てきた。

 桜が散り始めるこの時期に
濃い緑の表面に鮮やかな緑がぽつ、ぽつと現れる。
新芽は明るい色なのでよく目立つ。

 寒いと変化は見られないが、良く晴れた次の日には「あっ、大きくなった!」って分かる。
でも茶園で働いていないと知らないであろう、この新芽、場所によって大きさが全然違うのだ。

 茶園の列によって異なるのはもちろん、同じ列でも一部分だけぐっと伸びているところがあれば全然出てこないところもある。

 病気や虫に食べられているのならそれが理由だとわかるが、どうもそうではないらしい。

 そういうのを見ると「お茶って生き物だなぁ」と感じるのである。
同じ天気でも、同じ場所でもちょっとずつ違う。
子供が成長するスピードがそれぞれ違うように、お茶の芽も微妙に違うのだ。

 同じ場所といっても実は環境が違うということに気づくこともある。

 いつもあまり伸びないところだなぁ、なぜこの場所はいつも小さいんだろう?と見上げると大きな木があって午前中から日陰になっている場所だったり、建物のすぐ横は冷気が吹き込まない為に良く伸びていたりするのをみると、何故この芽は大きいんだろう(小さいんだろう)?と考察するようになる。

 本当のところはお茶に聞かないとわからないのだが、これがまた楽しいのだ。

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