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フレアバーテンダーの技術を学びにイギリスに行く前の話

 今日KBS京都テレビ「きらきん!」でサムライ茶人を取り上げていただいた。VTRで14分も使っていただいてお茶のパフォーマンスや急須で淹れ方の違いによる味の違い体験、YouTubeチャンネルなどを紹介していただいた。そこではフレアバーテンダーの話も取り上げていただいたので今回はフレアバーテンダーを始める頃の話をしようと思う。

 そもそも4,50代のバーテンダーではよくある話で私もトム・クルーズの映画「カクテル」を見てフレアに憧れた一人であった。その頃は「フレア」という名前はまだなく、カクテルを作るパフォーマンスなどと言っていたのだろうか、とにかくカッコいい、やってみたいと思った。でもインターネットが広がるずっと前の話で、やりたいけれどどうしたらいいのかわからない。そのうちやりたかったことなど忘れて日々過ごしていた。

 数年が過ぎたある日、テレビをつけるといきなりその映像が流れた。確かタモリのジャングルTVで自分の自慢をするコーナーで、そこではアンドリュー・マーチン・ルイスというイギリス人がボトルを投げてカクテルを作っていた。「あっ、スゴイ!これやりたかったやつや!」と思った時にはもう映像は終わっていたが、うわあ、すごい、すごかったなぁと頭の中でぐるぐるまわっていた。

 次の日、家でとってた新聞の夕刊にアンドリューが出ていた。どうやらボトルを投げるパフォーマンスをしながら世界をまわっているらしい。2週間くらい大阪のホテルのラウンジバーで妙技を披露しているとその記事は締めくくっていたのですぐに大阪へ向かった。当時24才、フリーターだった私はホテルのラウンジバーに行ったことはなかったが、とにかく持っている服で一番きれいに見えるものを着ていった。

 「テレビと新聞を見てきたのですが…」とひきつった顔で話す私にホテルの方が笑顔で「あちらです」と案内してもらったが明らかに場違いな雰囲気だっただろうなとしみじみ思う。

(続く…)

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