マニュアル作り

 お茶作りにはちゃんとしたマニュアルはない。同じ町内にある畑でも品種はもちろん、管理の仕方、収穫時期、霜に当たりやすいかそうでないかすべて異なる。いいお茶を作るためにはマニュアルを自分で作るしかない。

 新茶の茶摘みは1年に1度だけなので今年失敗したら次のチャンスは1年後になる。
ただ、1年経つと去年のことはほぼ忘れている。今まで、何の仕事をしたかはノートに書いている。だがそれはいつ、どんな作業をしたのかはわかるだけでその時の茶園の様子はわからない。

 なので動画に残すといい。去年、作業をしたときに茶園がどういう状態だったのか、何で失敗してどう改善しようと決意したのかがわかる。

 記録と言っても難しいことはない。スマホのカメラで毎日作業の前後を数十秒撮ればいいだけ。ただ、よほど「撮ろう」と意識しないと撮らないのが問題だ。茶園に着いたら早く作業を始めたいのか、作業が終われば次の作業にすぐに取り掛かりたいのかよくわからないが、意外と映像を撮るのは面倒なのである。とにかく、積み重ねた動画が素晴らしいマニュアルに変わるのだから意識して無理やり、せめて3年は撮り続けるべきだ。

 私は去年はしっかり撮ったが、その前までは「茶園のイメージ映像が撮れればいいや」と連続して撮っていなかった。その動画からはイメージ映像やお茶を作る流れの映像は作れるが、栽培の参考にはならない。記憶に定着させる動画と記録として残す動画は撮影の段階から違う。

 また、その時に思ったことは動画に音声として記録しておくのも大事だ。何を思ったのか心情を残すことでその時の事がより鮮明に思い出せる。

 この記録動画を元に作業記録のノートと、後は毎日の天気と気温を記録するだけで作るお茶は相当変わると思う。

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