入道雲は、もくもくだ
「もくもく」と「もこもこ」の違いとは、果たしてなんだろう。そう考える私の瞳には、どデカい入道雲たちが映っていた。
今日はおいしいハンバーガーでも食べようと外に出てみたところ、空が夏だった。
まあ8月にもなればそりゃあ雲もでかくなるってもんですかと思いつつも、ハイテンションになることをやめられない。ありがたいな夏。
入道雲がもっくもくでおおきいねえ、空がすごく青いねえ、とかなんとか言っている私に対して、友人は、衝撃のひとことを放った。
「もくもくって、なんか、違くない?」
‥
‥‥いや、違うわけではないでしょ。
つい瞬発的にそう反論した。そうせずにはいられなかったのである。
いえ、でもですね、擬態語に対するイメージって個人差があることも多いんですよね。
私には「ぐちゃぐちゃ」のことを「ガギガギ」と表現する友人がいるため、そこらへんはけっこう寛容なつもりである。
だから、あえて聞こうじゃないですか、その意見を。
じゃあなにが適切なの?と問う私に友人はこう答えた。
「もこもこ」
ふざけるのも大概にしてほしい。
いや、さすがにふざけすぎていないか?と、
心の中では東大医学部頭悪くないかおじさん(東大医学部は頭悪くないです)が大きな声を出している。
もこもこでは、ないでしょ。
だって「もこもこ」ってなんだか、
実際に手で触れられるもの(質感を感じとれるもの)に対する表現な気がしませんか。
もこもこのホイップクリーム、もこもこのマシュマロ、もこもこのヒツジ、もこもこのセーター。
これらを「もくもく」に入れ替えてはどうだろう。
もくもくのホイップクリーム、もくもくのマシュマロ、もくもくのヒツジ、もくもくのセーター。
変だ。
もくもくのマシュマロ?まるで意味が通じない。
別のものを想像しているのではないかという疑惑が浮かぶほど、質感が違う。
しかも、私は対象が雲なのであれば「もくもく」
そう、ひらがなもくもくでないと納得ができない。
仮に、もくもくだと認めてもらったとしても「モクモク」カタカナモクモクではだめなのだ。
カタカナモクモクだと、なんだか雲にしては密度が高すぎる印象を受けるからだ。
‥‥いやだ、雲に限ってはひらがなもくもく、密度の低そうで触れられなさそうな、ひらがなもくもくを使ってくれ、、、!
‥‥やめてくれ!‥‥たしかに雲とビジュアルが似たものに、わたがしがありますが、あれは「ふわふわ」だ、、、、!!
…がう、ちがうのだ‥‥‥‥!!
「フワフワ」カタカナフワフワではだめなのだ、、!!!!
‥‥‥めてくれ、、!!!やめてくれぇ、、、!!!!!!!
そう熱弁する私のすぐ横で、友人はぼんやりと空を眺めていた。
雲って、近づいてみるとただの水蒸気で、姿が見えないそうですね。
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