サムちゃんのショートショート25【はじめてのいしょ】
階段をドタドタと上がる音が聞こえ、やがて俺の部屋のドアをバタンと空けて弟の雄二が入ってきた。顔は真っ赤に泣き腫らしている。
「にいちゃん!ぼく、生きているのがいやになっちゃった!」
大胆な告白である。まぁ、小学生でも一度くらいは生きるのが嫌になったるするものなんだろう。俺も経験あるし。
話を聞いてみると、雄二は母さんと約束していた映画を見に行く約束を急にすっぽかされたらしい。そういや、ウルトラマンの映画を見に行くって言ってたっけ。
「それで?」
「いしょのかきかたをおし