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hiphopをヘパップって言う人

・当時そんな発音する人が周りに誰もいなかったから、めちゃくちゃカッコいい奴なのでは無いか?と直感した。

・話を聞くと、大学生だった彼は学内に誰ひとりとして友人が居らず、鬱々とした日常生活や世の中に対して感じている、ありとあらゆるムカつくことをラップにして吐き出したり、吉幾三の「おら、こんな村いやだぁ〜」をアメリカの西海岸(ウエストサイド)風サウンドにリミックスする事でなんとか理性を保っているとの事だった。

・それから彼とは一緒に曲を作ってみたり、お酒を飲みに行ったりして遊んでいた。傍から見てると大学に友達が全くいないとは思えない様なユーモラスで行動力がすごい人物だった。実際、作った音楽アルバムを地元のクラブでDJをしている服屋さんのところに持っていき、そのクラブで10分間ライブ出来るように取り付けたのも彼だ。

・その後数回ライブをやらせていただいたのだが、私が「なんとかやりきった、良かった良かった」と安堵していた横で「あそこをもう少し格好良く出来たはずだ!!チクショー!!」と彼は何度も反省していた。

・その反省は彼が作る曲にも反映されていて、日増しにラップのテクニックが上昇していった。(その頃から私は歌詞が書けなくなっていたので羨ましく思いもした)

・じきに彼の大学卒業、そして就職のシーズンが訪れ、新曲を聴くことは出来なくなってしまった。

・きっかけは彼がhiphopをへパップと呼んでいた事だが、それが数年にわたって「何かを作り出していく経験」に結びついていったのが本当にいい思い出だなとしみじみ感じてしまう。

・とりあえずオススメのへパップ聴きます?


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