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トヨタ産業技術記念館訪問記

名古屋駅北側に徒歩20分の距離にあるトヨタ産業技術記念館に行ってきました。

一言で言うと、トヨタの今日の繁栄に心から納得するほどの素晴らしい施設でした。
自動車のトヨタだけではなくて、もともとの始まりの豊田紡織関連の展示エリアと、トヨタ自動車関連のエリアに大きく分かれていて、そのどちらも圧巻!!

最初はトヨタ自動車の歴史展示エリアから。

きれいなお姉さんが淀みのない説明で分かりやすく各エリアにいて説明してくれる、この人手不足のご時世に何とも贅沢な演出。
トヨタの歴史漫画的なものが随所に散りばめてあって臨場感あり。
ここのエリアは、エンジン部品をつくるときに四苦八苦したことを表したエリア。

豊田紡織の自動車部として自動車をつくるぞ!と始まったところから、材料の鉄鋼から作ろうとするのがほんとすごい。これが愛知製鋼の源流にもなっているとのこと。

自動車部の研究棟を建物内に再現。

トヨタが初めて作った初代自動車。
形がとっても可愛い。今見てもおしゃれ。イギリス車をモデルにしたらしい。

2代目喜一郎さんの軌跡を辿る展示もあった。

とにかくやることを大事にした喜一郎さんの原点がよく分かるエピソード。
2代目でここまで優秀な子が出てきたこと、喜一郎さんが徹底的な顧客目線で商品開発したこと、極端なまでの現場主義であること、これらが今日のトヨタの礎になっていることがよく分かる展示だった。

トヨタは最初トヨダだったのを、途中で名前もエンブレムも変えたらしい。ちなみにエンブレムデザインは公募。

トヨタグループの源流が分かるもの。おなじみの会社が並ぶ。

昔のクラウン。今見ても可愛い。

昔のトラックも可愛い。

ロボットアームの実演も。

これは安全性評価実験で衝突実験した車。
外はへこんでも中は壊れない。

他にも、自動車のパーツ単位や技術単位でそれぞれがどれだけ作り込まれて技術も進化していっているかよく分かる展示がてんこもりだった。
自動車って本当に多くの部品から成り立っていて、その部品部品に様々な技術が使われていて、その技術一つ一つに歴史があり、人々の努力があり、今も進化し続けているということがよく分かった。
この展示見てると、トヨタがいかに丁寧に自動車を安全安心に作り込んでいるかがとてもよく分かるので、トヨタ自動車が欲しくなってくる(笑)


お次は紡織エリアへ。
これは入り口にある環状織機。横糸を通すシャトルがぐるぐる周り続けるので動力を無駄にせず織物が織れて音も静か、かつ大きな布を織れるという優れもの。
エントランスに展示してあって動いているところも見れる。

最初は紡織の紡、糸を紡ぐエリアから。
写真を撮りそこねちゃったけど、綿の性質をうまく活かした糸紡ぎもあった。綿を別の綿にふんわり乗せてくるくるまわすだけでひっついてどんどん紡ぎ出されるところを実演してもらったけどほんと不思議だった。

綿はまずこんな感じで圧縮された状態でゲット。

原綿はたたいてふわふわにしたり櫛ですいてゴミを取り除いたりする必要があるので大きな機械たちにかけてどんどん糸にしていく。

途中経過の綿。
右と左で工程が違う。左はより細く分かれている。

これは糸になる寸前の綿をよって糸にしているところ。でもこの糸は家庭に届く糸ほど硬くなくて引っ張るとすぐちぎれちゃう。織物に使うのはこの状態の糸になる。

これは昔のヨーロッパの刺繍も入れられる自動織機。右側に垂れ下がっている紙に穴が空いていてそれを命令文として刺繍パターンを再現する。

これは最新の織機で、写真を何と織物にできてしまうびっくり仰天な織機。

こんな感じ。どうやってこれを織るの??って感じだよね。

裏側はこんな感じ。写真フィルムのネガみたい。表側は表現したい糸がたくさん出るようにする分、裏側はその色が出なくなるのでこういうネガっぽい色合いになるみたい。面白い。

一番感動したのがイギリスに高いお金で特許が売れたという豊田紡織の発明品であるG型自動織機。
からくりみたいにアナログなのに自動で細やかな対応ができる素晴らしき織機。
これは、縦糸が切れたら自動で織機を止めてくれる技術。縦糸にある部品を引っ掛けておいて、糸が切れるとその部品が下に落ちて機械が止まる仕掛けになっている。
なぜわざわざ止めるかというと、縦糸が切れたまま織り続けてしまうと織物に線が入ってしまい、品質が落ちて安くなってしまうから。品質重視。

他には、横糸を通すシャトルの自動交換もすごかった。
シャトルに糸残りがあるかを定期的に横からつつくことでチェックして、糸が少なくなると穴が見えてくるので、その穴につつきがハマると新しいシャトルと自動で交換される仕組み。
もう一つは、シャトルの穴に糸を入れて引っ張るだけで簡単に穴に糸を通すことができる仕組み。
どんだけ頭良い人が考えたのかと思えるほどよく考え込まれたつくりになっていた。
そりゃ技術の発展した現代の方が技術的にはすごいかもしれないけど、コンピューターもないあの時代にここまでの細やかな気遣いの機械を作り上げた豊田紡織の皆様ほんとすごいと思った。心から尊敬。

そして、紡織エリアは色んなとこに分かりやすくかつ丁寧に説明してくれるおっちゃんがいて、目の前の織機や機械を実演しながら説明してくれるのもかなりよかった。
面白い場所には解説のうまいデキるおっちゃんあり。
最後に綿の種もいただいてしまった。早速育苗しようと思う。

5時間くらいいたけど、まだまだ見足りないくらいだった。1日いても楽しめるところだと思う。
名古屋に来たらぜひとも行ってほしい場所。かなりオススメです。
あー楽しかった!

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