作品集

過去に作った作品達です



No.1 - No.10







No.1

底の側
常聴こえる無音
暗い光に目を向けと
心写す鏡のよう

波状の心理に心惑わされる





No.2

晴天の夕焼けに稲妻が一つ
イヤホンから流れるtalking heads
メガネをかけた初老の男は電話越しでも楽しそう

枯れ木と共に僕は歩く





No.3

病室から見える風景が
どんなものだったのか覚えてはいないけど
感覚だけは確かに残っている。

電車に乗っていたらふと
その時の感覚を思い出した。





No.4

花粉症は蓄積されて
大人になってからも発症するらしい。

生まれた時からの記憶が
自分の知らないところで蓄積されている。

知らないところでも、生きてきた軌跡はあるんだな。





No.5

雨漏りするこの部屋
雨の日にはベッドから離れたところで等間隔に音が並ぶ

それが案外心地良くって雨の日はぐっすり眠れるる





No.6

いつだって言葉は浮かんでこない
出てくる言葉はただの反射

心と心が通い合うなんて
想像もできない事なんだ

それでも愛してくれる人がいる以上
僕もちゃんと人間なんだな





No.7

冬の夜
誰もいない海岸沿いに行くと
満点の星空を見ることができる

波の音 と 車の音
他には何も聞こえなくて
今 独り占めしちゃってる
なんて心が踊ったり

一人は嫌いだけど、こんな一人は大好きだ





No.8

昨夜のの名案が
今日まで生きてることなんて
滅多にない

それでも気に病む必要はないよね
次の日にまた思いつけば良い

この作品がそうなると良いな





No.9

時間の決まってない待ち合わせ
一分おきに辺りを見わたすぼく

早くきみの顔が見たいだけだけど
なかなか来なくて
ソワソワしたり
早くきてくれって思ったり

あったら直ぐに安心するのにね





No.10

地球規模の球体の全貌を
至近距離で見るような

地球規模の重さの球体を
体一つで支えるような

そんなどうしょうもない大きなことも
頭の中なら出来てしまう





No.11 - No.20






No.11

冬の寒さは寒くて痛い

キミの言葉は温かくて痛い

誰もキミを自分のものになんか出来ない
あの時の僕はそれを知らなかったんだ





No.12

どんなに知識を貯めようとも
ザルのように落ちていってしまう

残るのは感覚だけ

残るのは感覚だけ





No.13

自室で一人
孤独が何よりも怖い僕が
ひとり

耐えられる苦痛が延々と続く

まだ見ぬ出口はきっと存在しない





No.14

ボリュームを 目一杯 上げた先にこそ
ボリュームを 目一杯 下げた先にこそ

本当の自分がある気がするんだ





No.15

春の香りは心に治癒をもたらす

冬にしか味わえないこの香りを毎年待っている





No.16

鬱の時の自分も
躁の時の自分も
信頼できない





No.17

冬空のしたで吸うタバコは
煙をはっきり感じられておいしいね

煙を吸うと キミとの思いてがあふれてくるよ

忘れたいのに

煙のように
いつの間にかいなくなる

なんてことはないんだね





No.18

寝れない夜はよく

この腕が反対に曲がり切れば良いのに

とか

明日トラックに跳ねられれば良いのに

とか

そんなありもしないことばかり考える
この思考の先に光なんてないのにね

でも、それを考えてるうちはまだ、生にしがみついていたいんだ





No.19

食べられないキミに
たくさんの料理を作るのは

優しさなのかな

残酷なのかな





No.20

バターの焦げる香りの幸福






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