有頂天家族についてのつれづれ

〜読書感想文+アニメ感想 番外編〜

今日は大好きな森見登美彦先生の有頂天家族について書こうと思います。

もとは原作の書籍から入ったのですが、アニメも見るようになりどちらもそれぞれの良さがあり、大好きな作品です。本とアニメのそれぞれの良さに触れつつ、つらつらとこの毛深い物語に浸りたく、つれづれなるままに文章を起こしてみようかと思いました。よろしければお付き合いください〜

有頂天家族は、京都を舞台にして、狸と天狗、時々人間とがわちゃわちゃするお話。もちろんわちゃわちゃだけでは表現しきれないのですが笑 このお話には、家族や人間関係のめんどくささと喜び、分かりにくいけど確かにそこにある愛とか思いやり、そして生きる哀しみみたいなものが詰まっているなあと思います。

まず、この物語 ところどころで使われる表現がとっても可愛いんです。「ふはふは」「ぽてぽて」など可愛い音の擬音表現がたくさん登場します。それがこの物語の世界観にぴったりすぎるのと、のほほんと和んで優しい気分になれるのとで最高なのです。原作の書籍で活字として字づらで見るのも好きなのですが、アニメでそれぞれのキャラが可愛らしく口にするのも大好きです。

あとはね…キャラがね、すんごい魅力的やと思うねん。

原作では、弁天さんが大好き。強く、うつくしいのだけど、どこか哀しみを抱えている、でも自由気ままに生きている弁天さん。怖い人なのだけど、誰もが惹かれてしまう、そんな魅力的なキャラクターだなあと思うのです。あんなお姉さんがいたら同じ女性でも惚れ惚れしてしまいそう。弁天さんのセリフで好きなのはたくさんあるけれどあれが一番かな。矢三郎とのシーン、「狸であったらだめですか」「だって私は人間だもの」というやつ。あの もの悲しいのか、面白がっているのか分からない不思議な台詞、私は好きです。

そうだ、弁天さんの描写で一つわからないシーンがあるんです。弁天さんが矢二郎の井戸に腰掛けて、夜に涙を流すシーン。あれがね、なんだかわからない。なんで泣いてらっしゃったんだろう、これが結構気になっているんです。総一郎を偲んで?赤玉先生を飛べなくさせてしまった自分を恥じて?矢三郎を食べちゃうかもしれない、失うかもしれない悲しさを想像して?色々考えるのだけど、しっくりこない。これ、有頂天家族好きの人の解釈を聞きたいし、なんなら森見先生に直接聞いてみてみたいくらいです。

そういえば、森見さんの描く女性は本当に魅力的ですね。可愛らしいのだけど、どこか掴み所がない、男の子から見て「高嶺の花」みたいな女の子やなあと勝手に思っていました。男性から見ると好きな女の子はこんなふうに見えるのかしら…笑

アニメではね、矢一郎くんが原作以上にかっこいい気がする…笑 原作を読んでいたときはそんなに感じなかったのだけど、阿呆なのにいざというときには案外まわりの人たちを助けてまわったり、面倒見が良かったりする狸なのよね。アニメの声優さんの声にメリハリがあるからなのかしら。本で読んでたときには、もっとなんも考えてないキャラのように感じていたのだけど、アニメでは表面の行動には出てこないような思いやりを持つ一面が引き立って見えて、かっこええやん!となりました。あっぱれ!

海星ちゃんの可愛さも、アニメで気付かされました。(キャラクターの声とビジュアルがとってもも可愛い) 個人的には、弁天さんに世話を焼く矢一郎に悪態をつく海星が愛おしい。やきもちですよね。それでいて矢一郎が天満屋に化かされたときに助けてくれるかっこよさや、金閣銀閣たちぽんこつ兄貴を一喝するしっかり者の一面も持ち合わせてる。このツンツンツンデレ、みたいなところは男の子からみても可愛んやろうなあと思います。もちろん女性から見ても可愛いくてたまらないのですが…笑 森見さんの描く女の子はやっぱりよいのです。

好きなシーンはたくさんあるのだけれども、2代目の帰朝を読んでアニメを見てるときにこのノートを書いているので、2作目の印象の方が強い状態で書いているかもしれません。また、別のシーンやキャラについてこの作品について話す機会も持てると嬉しいです。ちなみに、アニメを今見ながら書いていますが、アニメでは匂いをかぐとき、「くんくん」ってみんな言うのが可愛い〜ってなったのでこれも書き残させてください。

あと、これはアニメを見た後にふと思ったこと。個人的な感想ですが、映像化作品を見る前に原作を読んでよかった。アニメと原作では違う良さがあり、どちらが良い悪いでは全くないのですが、特性的にアニメは目に見えてキャラが動くため一度見ると印象強く記憶に残る気がしていて。原作を読む前にアニメを見るとアニメのシーンやキャラで、書籍も読み進めてしまいそうだなと思いました。書籍の良さもあるので、どちらも味わえたという意味で先に書籍を活字で読んでよかったなと言う気持ちです。他の作品にも言えることかも。

原作書籍とアニメの違いという意味でいうと、弁天さんのビジュアルは私の書籍を読んでたイメージとアニメのキャラクターではだいぶん差がありました。書籍を読んだイメージではもう少し、可憐で儚い、白いワンピースが似合いそうな黒髪のお姉さんを想像していました。ですが、アニメを見進めて行くについて、アニメの弁天さんも素敵で好きになっています。楽しい。

それにしてもこうやって森見さんの作品に触れると、京都に帰りたい気持ちが日に日に強くなっています。祇園祭、送り火、糺の森の古本市、三井別邸の一般公開…夏の京都はほんとうに素晴らしい行事が目白押しです。行事だけではない、お寺でいきいきと咲く青紅葉、盆地のジリジリとした暑さ。今年の夏は、川床にでもいきたっぷりと京都の夏の夜を満喫する予定です。はあ、早く帰りたい。

でもその前に、宵山万華鏡も読むつもりです。毎年この時期に読む私の夏の風物詩。本当に面白くて、わくわくさせられます。おもしろきことは良きことなり、ですなあ。

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