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不思議なご縁

私は、十数年以上前から今の職場で働いている。
その職場に、私の家族と繋がっている人がいた。
つい数年前の出来事だった。

事の発端は、私が家族の話をしていた時のこと。
「私には9つ離れた姉と7つ離れた兄がいて、私が生まれる4年前に流産してしまった子がいたんですって。もし、その子が生まれていたら私は生まれていなかったかもしれないんです」
「そういうのって誰かが欠けていたりしたら、自分という存在が本当にいなかったかもしれないんだよね」
そう答えてくれたのは、Fさんだった。

Fさんは、みんなから慕われる先輩で仕事も精力的にこなす人だ。
私もこういう心持ちの人になりたいなぁと、いつも尊敬の念を持つのだった。

「昔は、T町に住んでいて父の会社の社宅に住んでいたんですよ」と私が言うと
「私もT町に住んでいたよ。実家があって今は、父が一人暮らしをしていてよく身の回りの世話をしに帰っているんだ」とFさん。

「アレ? 9つ離れたお姉さんがいるって言ってたよね? 下の名前は何て言うの?」
「M子ですけど…」
「M子!!! Mちゃんの妹!!!」

興奮気味にFさんが姉の名前を言った。
偶然にも私の姉とFさんは、T町の中学校の同級生だったと分かった。
ただの同級生ではなく、家を行き来するほどの仲良しだったという。
しかし、私の家族は一軒家に引っ越すことになって、姉は隣町の中学校へ転校することになった。
それ以降、姉とFさんは二人で遊ぶことも無くなったそうだ。

と、ここまではよくある話。
まだ、この先に続きがあった。

姉の夫の父親は、大手の会社に勤務していた。そこでなんとFさんの父親も同じ会社にいたのだった。
しかも、ニックネームで呼び合い、よく飲みに行くほどの仲良しだったとのこと。
嫁ぎ先の父親まで繋がりがあったとは、偶然も偶然すぎる。

そして、妹の私もFさんと同じ職場で仲良くしていただいている。
“食に関してアレが良いだの、コレが良かっただの”
“足腰が…と言う話になれば良い靴を買いに行こう”
“写真が好きと言えば、どこそこの公園に写真を撮りに行こう”
などなど、Fさんとは話が尽きないのだ。

しかも、"とことこストーリー"を愛読しているファンだともおっしゃってくれている。
深い繋がりのある人とはこういうことなのか?
きっと出会うべくして出会った人なのだろう。

世間は…広いようで狭いものだ。
良いご縁って意外と近くにあるもの。。。

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