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とことこストーリー
2023年6月3日 22:52
木々の隙間から涼風が吹くなか、祖母は足を止めた。7月の暑く厳しい夏、蝉の声が一斉に鳴き始める。 祖母は、ある想いを持って神社に来ていた。「どうか、お腹の中にいる子が無事に生まれてきますように…」 私の祖母は昭和13年 第二子を妊娠していた。しかし、祖母の身体の状態は低栄養、妊娠高血圧症候群だったため胎児にも栄養が行き届いていなかった。 そして、その年の暮れも押し迫る頃、妊娠8ヶ月にして