こども食堂めぐり #4


教会母体のこども食堂

閑静な住宅街にある教会。エントランスの前の庭には大輪のバラ。となりには公園があってこども達の笑い声が聞こえてくる。そこで月1回、週末の昼間にこども食堂が開かれている。

教会会員の有志が1年前にはじめたけれど、いまはボランティアで手伝ってくれている人が半分になるらしい。近くにある銀行のスタッフも、毎回ではないけれど、ボランティア活動の一環で手伝いに来てくれている。

ボリューム満点の手作り弁当

毎回メニューを変えた手作りのお弁当約60食。こども無料でおとな200円。イートインとテイクアウトの二刀流。完全予約制で、こども食堂の開催日翌日から次の月の予約をメールで受け付けている。

メインのパスタと一緒に

メニューはリーダーが考えて、調理は、調理師免許をもつボランティアが担当。この日のミートソースのペンネとサンドイッチ。つけあわせにはブロッコリーもついて、ボリューム満点。

いつもは大人、こども(大)、こども(小)と量を少しわけているのだけれど、今回はペンネをたくさんつくったから、大人もこどももほぼ同量。残っても、夕飯にも食べられるから、きっとみんな大満足したと思う。これで大人200円はすごい!

利用者が少しずつ増えているから、寄付金だけではまかなえなくて、助成金を申請したという。1年間は寄付金だけでやりくりしていた、と言うのだからすばらしい!

場所がある利点

こども食堂を開きたいという人はいるかもしれないけれど、苦労するのは開催場所。地域センターや高齢者会館を利用して、というのがまわりではけっこう多い。けれど、そこは時間や日にちで借りるもの。食材などは当日でなければ受け取れない。

ここは教会。神父さんが住んでいるので、材料や寄付品の受け取りは常時可能。そのメリットは大きい。

手伝えないけど寄付なら、という人はけっこういるらしい。アマゾンのほしいものリストに登録しておくと、不定期でいろんなものが届くとか。地方の農家の方から果物やお米などが送られてくることもあり、この日もオレンジが届いていて、お土産に渡していた。

空き家を利用できたらいいのに

空き家が増えている、というニュースをあちこちで耳にする。そこを自治体が借りるか買い取って、こどもの居場所や無料塾、こども食堂、育児支援などを運営するボランティア団体の拠点として安く貸し出してくれたらいいのに。空き家を放置するよりよっぽどいい、とはきっと誰もが思うこと。でもことはそう簡単ではない。

まわりを見ると、古い建物がつぎつぎにマンションやアパートに建て替えられている。親の土地や家を相続しても、そこに住む予定がないなら売ろうと考えるのは、ある意味とうぜんの流れ。売るなら高く買ってくれるところへ、となると、不動産投資会社が候補にあがってくる。

それにしても、よくもまあこんな狭い土地に建築許可を出したもんだ、と感心してしまうものもある。少子化、人口減と言われているのに、どしどし許可して建てさせる。庭付きの一軒家が、ある日気が付いたらワンルームアパートに。

もうちょっと景観の保全を図った街づくりをしてほしい、と思う。けど、可能性を求めて都会に出てくる若者にしたら、こんなアパートはありがたい。

やっぱりいろんなことが難しい。


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