拝啓 月野木ちろる様(注: 激キモ自分語り)

ななしいんく所属のVTuber、月野木ちろるが、約2年ぶりに活動を再開した。

何年もnoteを放置して突然何の話を始めるのか、と思われるかもしれない。いや、元々は他にも多少の駄文が残っていたのだが、音楽関係の分析以外は読み返す価値がないと勝手ながら判断し、随分前に削除していた。

彼女の復帰について思うところが幾つかあり、なんとか文章としてまとめたいと思い立ったは良いものの、現時点で私が長文を書ける場所はここしかない(SNSは見るのが精神的にキツくなってすべてやめてしまった)ので、何の価値もない自分語りを多分に含むことを承知の上で、一つの記録として感想を残しておきたい。

まず、実をいうと、私はVTuberを通じて人生で初めて"推し疲れ"という概念を知った人間である。

私にはかつて、メンバーシップにまで加入し、有料の単独オンラインライブのチケットも買ったほど心酔したVTuberがいた。
高いゲームセンス、豊富な語彙力、プロに匹敵するほどの安定した歌唱力。配信者として"すべて"を持っているかのように見える存在だった。

だが、少しずつ、確実に、その気持ちは冷めていった。

仕事が忙しくなり、休日も配信やアーカイブを見るより自分でゲームをする方に時間を割くようになってしまった結果、何も情報を追えないままの状態が続いた。

「もう、いいか……」

メンバーシップもチャンネル登録も外し、ついでだからと他に登録だけしてロクに見ていないVTuberのチャンネルも片っ端から外していく。リセットだ。俺は"推し活"すらまともにできない屑野郎だったのだ。そう自嘲しながら。

その時点で、月野木氏は既に長期の活動休止に入っていた。彼女も件の"推し"と同時期に追っていた存在の一人で、一度だけ歌配信(アーカイブ削除済み)でスーパーチャットも投げたことがある。

私は、登録解除しなかった。ただの偶然だったのか、何かを期待していたのか、今となっては分からない。


この2年で、私の人生は、少なくとも好転はしなかった。
増えるばかりの仕事量に、イレギュラー事態の連発。体調が思わしくない時期もあり、精神面も安定期・不安定期の差が激しく、平日は感情を失ったアンドロイドの如く日常業務(+α)に勤しみ、休日に音楽やゲームを楽しむことでなんとか気持ちをリセットするという状況が続いた。(SNSを完全に離れたのもこの頃)
VTuberの配信を見るくらいなら他の事がしたい。"タイパ"という言葉は好きではないが、例えば無編集のゲーム配信のアーカイブを見るよりも、見やすく編集された切り抜き動画や配信ではない普通の実況動画(ゆっくりボイス・合成音声含む)の方が短時間に面白さが圧縮されているのは事実だ。そういった理屈から、配信文化中心のバーチャル界からはますます遠ざかっていった。

そんな中で、月野木氏の復帰は、まさに寝耳に水と言う他なかった。
当日20時過ぎにYouTubeを開き、復帰配信のアーカイブ動画がおすすめに上がった瞬間、叫んだ。本当だ。

チャットの対応に追われ時間通りに進まない様子も、用意周到にもかかわらず思い通りに機能しないPowerPoint芸も、それらをひっくるめてひたすら過剰なまでに謝罪し続ける腰の低さも。

月野木ちろるは、2年の月日を経ても、何一つ、変わっていなかった。

いや正確には、英語力だけは格段に上がっていたように思う。自信なさげな場面もあったが、ある程度のレベルの英語コメントにも懸命に対応しようとする姿勢が見られたのが印象深い。

休止中に起きたあらゆる病気を替え歌で笑いに変える(私自身は正直笑えなかったが……)という異質なセンスも健在で、今のところ私は氏の様子に安心してはいる。
むしろ不安要素が残るのは"私"側であり、今でこそ勢いに任せてこんな駄文をつらつら書き連ねているが、いつから不安定期に入るかは自分ですら分からない。彼女に限らず誰かを推し続けられる自信などないし、本当のどん底まで落ちればこの文章自体を削除することだってあり得る。

私自身、オタクはおろかファンとすら名乗れない程のちっぽけな存在であることは百も承知で、こんなどうしようもない文字列が本人に届くなどとも全く思っていないが、それでも、この気持ちを言葉にして残しておきたい。

月野木ちろるさん、お帰りなさい。
これからも、貴方の人生に、多くの幸せが訪れますように。


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