小学校の「プログラミング教育」は本当に必須課題か?

今日、くそ暑いですね。と、意味もなく時候の挨拶から入ってみたわけだけれども、なにせこのコラム日付打たないから、いったいいつのことを言っているのか後で読むとよくわからなくなること請け合いなのですけども、今日の話題はこちら。

だろうよ。

んー、なんて言うんですかね。いろいろ引っ掛かるんですけど、早期教育を行うこととそれを望むと望まざると、適性を無視して全体に行うことは別のものなんじゃないですかね。

そもそもなぜ文科省は、プログラミング教育を小学校のカリキュラムに取り入れようとしたのかは、不勉強なのでよくわからない。ただ、IT業界の端っこにいる底辺人材たる私から見ても、この業界は明らかに人手が足りておらず、そのくせ激務薄給と言う惨状なので若い人材もよりつかず、優秀な人材は古臭い日本企業の枠組みに収まることを嫌って、日本を脱出してしまう。

そこで、子供のうちからプログラミングに慣れ親しむことによって、この万年人材不足状態を払拭しよう、と言う魂胆なのだろうか。まぁそれは良いだろう、子供のうちからこういったものに触れておくことは将来何らかの形で役に立つこともあるだろうし、少なくともExcelの集計表を最後に手で検算しろと言い出すアナクロ勢力を駆逐する役には立つやも知れん。だが。

誰が教えるの?

いくらなんでも小学校の先生のキャパシティ超えますよ。いやとっくにぶち超えてんのかも知れませんけど。少なくとも俺は小学校からの英語については多少の理解を示してきたつもりだし、先生だって大卒なんだから英語の初歩の初歩くらいは教えられるだろうし、もっと先進的な取り組みをしているのであればネイティブを外部講師として呼んで、より生身に近い英語体験を提供できるだろうけどもさ。でもね、プログラミングって一応専門技能なんですよ。専門技能だから小学校から教えるのは尚早だ、と言ってるんじゃないんですよ。そこじゃないです、教えられる先生はどうやって確保するのかと訊きたいんです。

まぁ〜恐らくは外部人材でしょう。先生の中には実は趣味でプログラミングしてて、みたいな方もおられるかも知れないけれど、そういった事情に詳しい先生は恐らくレア中のレアで、大まかなイメージから察するに、外部から経験者を連れてくることになるわけですね。残念ながら専門技術ですから、そうそう誰もができることではないわけですし、教えるのは教わることより数万倍難しいですよ。ましてや相手は小学生だし。

だいたいねぇ。こんなことを言っている時点で何夢見てんだと言いたいんだよ僕ぁ。以下引用。

プログラミング教育は、コンピューターを動かす手順などの学習を通じ、論理的な思考力を養うのが狙いで、算数や理科の授業などで行われる。

えーと、ですね。

算数や理科だけではダメなんですか?

もっと言いましょうか、他の座学は論理的思考力を養っていないと片付けていいんですか? 国語や社会の立場はどうなるんですか? もうその理屈、絶対に後付けですよね。もっともらしいこと言っておいて正当化して、その影でPC導入選定や人材紹介なんかでどっかからなんかかんかゼニをふんだくろうと言う、そういう腹づもりでらっしゃったりしませんか?

だったらやめてくんないかなぁ。むしろもっと算数や理科の面白さ、つまり「論理的な思考力」をもっとも醸成しやすい科目の魅力をどう伝えるのか、基本的には文系出身が多い小学校の先生方に優先して貰うのは、むしろそっちのほうだと思うよ僕ぁ。プログラミング教育だけで論理的思考力は身に付かないし、できればその後の数学や中学理科への橋渡しをもっと強化していかないと、日本の科学力ズタボロになりますよ。まぁ、ズタボロになった頃にはどうせ死んでるから知ったこっちゃねぇや、って思ってるんでしょうけどね。

なんでもかんでも早いうちから始めるに越したことはないですが、それは

児童の興味・関心を優先せよ

と言いたいんです。国策による押し付けの英才教育、本当に必要ですか?




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