アベンジャーズIWの感想蔵出し
終わった後の劇場の通夜感といったらなかった。空気重すぎてエンドロール参列者名簿か鯨幕か何かかと思った。すごい映画だったなって思うし、これだけのキャラクター数がいて、クロスオーバーをあまりにもうまくさばいてるから、製作陣天才。
それにしても冒頭5分で一番大好きなキャラが死んだよ。しかもそれがね、兄上かインフィニティーストーンかって選択を迫られてロキが、あのロキが、自ら兄上を選んだことによって引き起こされたんだから、苦しさしかない。お前は神にはなれない。死んだ顔も美しかったトムヒ。エンドロールが流れる瞬間までわたしはサプラーイズって現れるロキを信じて待ってたって誰かのツイートに同意しかないよ。本当に死んでしまったの…?兄上はまた全てを失ったの…?
絶対展開的にそうだよなってわかってても、わかっててもヴィジョンとワンダを助けにきたあのキャップのシルエット、みえた瞬間な安心感でボロボロ泣いてしまった。ありがとうヒーロー。ありがとうキャップ。
そんでアベンジャーズ本部にキャップが帰ってきてホログラムの偉い人と話してる時、トニーの話をするときに私の耳はbest friendってキャップが言ったように聞こえたんだけど、友人は聞いてないらしくてあまりにも前のめりな気持ちが幻聴聞いたのかもしれない。でも言ってたらあまりちも胸が熱いと思いませんか。
雷神ソーに対抗しまくる半神ピータークィル大人気なさマックスハートで可愛いし、姉殺しと父親殺しで張り合うとか不謹慎極まりなく可愛いし、ロケットがソーにウサギって呼ばれても噛みつかないでううんって流すのおもろい。ガーディアンズ清涼剤かなって思ってたら最終的にあらゆる原因をガーディアンズが背負った感じのエンドになって、おめえそいつぁ辛すぎるってもんだぜ…
ワカンダの将軍が、開国といえばでオリンピックとスタバをイメージしてたのあまりにも可愛い。可愛くない?スタバだよ?スタバ。スタバ行きたかったんだよ彼女。ばり可愛い〜。
ロケットがソーに対してキャプテンシーを発揮しないとって慰めに行くのあまりにも…あまりにも…ロケットお前…!そんでちょっと泣きそうないじけんぼソー。そうだよねラグナロクで父上を失い国を失い片目も失い、ようやく守ったその手にあるものを、民衆と親友と弟をサノスに殺されて、本当にひとりぽっちになってしまった。反抗期グルートがソーの姿をみて斧を自らの腕で作るとこ、やはりグルートはグルートだし、あそこの星を回すところは雷神の本領発揮って感じで好き。
ストレンジ先生とアイアンマンっていうダブルホームズの相性の悪さは予想できたけどあまりに予想通りでクソワロタ。そのうえやはりトニーはガーディアンズともそら話し合わないよね〜わかりみ〜。付いてきてアイアンマンに怒られた時のスパイディの、親愛なる隣人でいたいんだ、わかるだろ、ってアイアンマンに言うの、あれは勝手に、アイアンマンだってスパイディの隣人なんだよって意味だと解釈したんだけどどうなんだろう。ストレンジ先生のマントちゃんは相変わらず可愛い。
ガモーラとサノスの歪な親子関係はしんどみが強い。サノス側から見ると王道勝利エンドっていうのほんとそれな…犠牲を払って世界を救うってやつよ…しかしサノスいままでちんたらし過ぎてたのでは?本気出したらこんなさくさく仕事進むやん。
ソーがワカンダに助けに来た時は、このから反撃が始まるんやと思いましたが違った。インフィニティーウォー残酷。戦争なんだなって思った。辻さんも言ってたけど、グルートに自己紹介するキャップ私も好きです。あと、ワカンダにキャップたちが来たときに、いかれかけた100歳の爺さんだみたいな自己紹介するバッキーがとても好き。友人に、本来のバッキーってああなんだなって描写だって言われて、ああそっかってキャプテンアメリカの1作目を思い出すなどした。キャップとバッキーのやりとりが自然で、軽口言い合ってるの、よかったなあって。
そしてバッキーがロケットを左手でつまみあげて機関銃がわりにして振り回したとこよくない?そのあとそれに怒るでもなく銃と義手の値段きくロケットも通常運転でよかった。
バナーがハルクと向き合えるようになったというか、あんな積極的にハルクに話しかけて、自発的にハルクの力を必要とするのも、1つ進歩だなって気がした。おもしろキャラになりつつあるバナー博士。こけたときにゴミを見るような目で一瞥されるとこ笑った。
作戦中にクィルのやったことは、大局をみるとそれは褒められたことではないけど、あそこで大局なんかみずに大切な人のために怒って我を失うのがピータークィルという男であって、それがなければガーディアンズは成り立たなかったから、必然だし彼のせいではないと私は思う。そして仲間の死を防ぐために、石を渡す選択をしたストレンジ先生も、きっと何も間違ってないんだと思う。
それにしてもサノス強い。ヴィジョンのインフィニティーストーン取りに来たとき、誰も全く歯が立たなくて、でもまあ神様であるソー以外はちょっとすごい地球人だから仕方ないなと。だからこそ、ソーが斧ぶっさしたときに終わったと思った。終わったのは世界の方なんて誰が想像したか。
ここで、ヴィジョンの石を取り除くことが間に合わなくて、サノスが来てしまって、ヴィジョンの頼みでワンダが石を壊すところあまりに残酷だったし、それをタイムストーンでなかったことに巻き戻されてしまったうえにサノスの手で石を取られてヴィジョンが死ぬの辛すぎる。IWは選択の物語で、唯一愛するものと石=宇宙の平和を天秤にかけて、個ではなく全を取ったのがワンダだってツイートみて、ああそうだななんて残酷な判断なんだろうと。
そして、最後のシーン。ファルコンが誰にもみられず塵になってそのうえをローディがサムの名前を呼びながら通り過ぎる。スティーブ、って友の呼ぶ声に振り返るとバッキーが塵になって、キャップは走りよって呆然と地面を撫でる。助けに来てくれた陛下が目の前で塵になって支えを失う。ガーディアンズはあっけなく消えて言って、それをみて怖いと、行きたくないよスタークさん助けてってトニーに寄りかかりながら消える最後の最後にごめんなさいって言うスパイディ。これしかなかった、と言い残して消えるストレンジ先生。あまりにも辛いのでは。
そして最後にやりきったサノスのショットで終わられたら劇場お通夜開くしかないでしょ。
別の友人も言ってたけど、とにかくバッキーとまたお別れすることになったキャップ可哀想…そしてトニーは見知らぬ宇宙に取り残されてキャップが助けに来てくれたことも知らぬままで可哀想。ホークアイはまたハブられてて可哀想。グッズもはぶられるのに映画本編でもハブられ始めた?アントマンで出てくる?
ソーとハルクが、ソー3をへてちゃんとアベンジャーズの仲間になった気がして、そこは嬉しいなって思う。ちょっと浮いてたし。
先の展開の話。
エンドロール後の最後のマーク?はキャプテンマーベルという新しい別のヒーローらしく、それが90年代の話だから、おそらくタイムストーンとからんでタイムトラベル的なあれで元に戻す話では?ということらしい。
いろんな人も言ってるけど、ストレンジ先生が石を渡しちゃうくだりが腑に落ちない部分あるのはあるよね。ストレンジ先生が勝てる方法は1つone wayしかないって言って、消えるときにトニーに他に手はなかったno other ways(?)って言ってたから、つまりサノスに石を一回渡しちゃってもっと前からやり直すことこそがその1ってことだったのかな。正直タイムストーンだいぶチートだから何があってもいけそうな気はする。
メタな話をすると、スパイディ3もGotG3も制作決まってるからみんななんとかして戻すし全部なんとかなるんだろうけど、そのなんとかするのをあと何年待てばいいのかなって思うと辛い。さらにメタ的な話をするとおいおいアントマン2とかやってる空気感じゃねえだろ大丈夫かってのはちょっと面白かった。
とりあえずデッドプール2とアントマン2に希望を託しておこう。ヴェノムはまさかのソニーのままでMCU参戦ならずだって聞いてびっくりしたけど観に行こう。
2回目追記。
ソーとロキ。前回書き忘れたけど、ロキが名乗りでSon of Odinって言うのは初めてだよね。そらそうか。だからそれを言った瞬間にソーはロキが特攻するつもりなのがわかったし、ロキもソーをみるのよね。
ワンダとビジョン。これは前回気づけなかったんだ。冒頭のシーンで石が何か語りかけてくるって苦しんでるビジョンに能力を使うワンダ。何かわかるか尋ねるビジョンにワンダはあなたを感じるだけよI feel you only.と返す。最後のシーン、ワンダにビジョンがマインドストーンの破壊を頼むところ。泣きそうなワンダにビジョンが怖くない大丈夫と告げるためにビジョンはきみを感じるだけだI feel you only.と返す。あまりにもしんどい。
スパイディ。前もここほんっと好きって思ったのに書き忘れてた。タイタンでサノスが月をばーんしたあと気絶したガーディアンズを全員スパイディが一生懸命糸で守りながら移動していくんだけど、ここでスパイディが、名前覚えてなくてごめんね、って言いながらみんなを守ってるの、あまりにも親愛なる隣人として尊い。あと、トニーがスパイディにきみもアベンジャーズだって言うところ、手刀で両肩叩いくの、あれ騎士の任命の時のやつなのね。最後消えていく時にトニーにいうごめんなさいはどういう意味なんだろう。言うこと聞かなくてごめんなさい?勝手をして迷惑かけてごめんなさい?目の前で消えるなんてあなたに最も辛い思いをさせてごめんなさい?わかってたのにまた号泣した。
ガーディアンズ。マンティス「ケヴィンベーコンとか?」な!!!!!ぜ!!!!!笑
キャップ。最後サノスがビジョンの石を奪いにきた時、全員があっさり吹き飛ばされてあと一歩でワンダのところにサノスがたどり着いちゃうって時、唯一キャップだけ二度目、間に立ちはだかるんだよな。しかもガントレットしてるほうの手を、片手だけだけど、それをほんの一瞬押しとどめる。スティーブロジャースって男はほんと…ヒーローなんだから…!冒頭の地下鉄?のシーンで助けに入るところもわかってたのにまた泣いた。
結局、既に持ってたザンダーとコレクターから奪ったノーウェアのやつを除けば、ビジョン以外のインフィニティーストーン保持者ないし在りかを知っているひとが、石よりも愛するもの・守るべきものを選んで選んで選んで、その選択の結果がサノス大勝利エンドだもんな。ロキがソーを選んで、ガモーラがネビュラを選んで、ストレンジがトニーを選んで、選ばれた方は自分が死んでもいいから石を渡すなって言っていてなお。特にロキとストレンジは、何度も何度も自分で殺そうとした兄を選び、お前たちを見捨てると事前に警告していた相手を選び。
これはいろんな人が言ってるようにサノスを主人公としたピカレスクであるとすれば王道エンドだと思う。でも、今回そうだなあって思いながらみていたんだけど、ビジョンから石を奪うシーンをみて、やっぱりサノスは主人公ではなくヴィランである存在だと思った。私も大切なものを失ったから気持ちはわかるとワンダのことを心から悼んで、そこまでは主人公ムーブだけど、それを巻き戻してビジョンを破壊する形で石を奪って、ビジョンをもはや興味のないものとして打ち捨てた時に、違うと思いました。正義の顔をしているけど、誰かの愛するものを「しょうがない」という理屈で破壊するのは、宇宙の未来を守る行為であったとしても正義ではないのだと思う。