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スピッツの音漏れを聴きに日比谷まで行った日

最後にスピッツのライブへ行ったのは3年前の「NEW MIKKE」の横浜公演。あれから1年後に1つ上の先輩に告白して「彼氏がいる」とフラれ、人生最大の喪失を味わった。あの頃が1番スピッツを聴いていて、自分の心を代弁していたと思う。ああそうさ。「ありがとう」って言うから心が砕けたんだ。
その後、syrup16gやART-SCHOOLと出会い、自分の気持ちを代弁するアーティストを他にも知ったが、今でも定期的にスピッツを聴いている。スピッツは、いわば水のような存在である。(あくまで「それぐらい大事な存在」という意味で、「存在感が薄い」という意味ではない。)

そんなスピッツが、日比谷音楽祭2024に出演することが数ヶ月前に発表された。21年ぶりの野音かつ無料。たまにこういうライブが開催される夢を見て、起きたときに「..こんなイベント開催されるわけねぇわな」と感じることがあるけど、それが現実になったような感じ。なにがなんでも行こうと決めた。結局チケットは当たらなかったものの、音漏れがかなり聴こえたので、会場と同じくらいの臨場感はあったと思う。

18:45、主催者の亀田誠治氏の声が聞こえた後、会場から歓声が聞こえてきた。1曲目から「チェリー」という一見さんには嬉しすぎるサービス。自分も生で聴いたのは5年ぶりぐらいだと思う。改めて感じたのは、CD音源かと疑ってしまうくらいの声と演奏だということ。日比谷の大地も揺れる迫力のある声にはやはりビビる。2曲目は「ルキンフォー」。多分生で聴くのは初めて。正直特段思い入れはなかったんだけど、泣いた。自然と2番のAメロぐらいからポロポロこぼれてきた。そして色んなことを思い出した。やはり生のスピッツには不思議な力がある。これ会場入ったら死んでたかもな。3曲目は神曲「楓」。一見さんを魅了する圧巻のセトリに涙が止まらない。
ここで一回MC。草野さんは「今日は良い天気ですね。最近雨男気味なんですが...」みたいなことを言っていたと思う。雨男って持って生まれるものではないのか。あと自分はよく聴こえなかったが、音漏れの客にも配慮してくれることを言っていたらしい。「優しいスピッツ」ってのはまさにこのこと。これ今書いてても涙出そうだね。
その後も新旧問わず披露された定番曲。「優しいあの子」では5年前に仙台の「ロックのほそ道」で聴いた時の思い出が蘇った。まだ連ドラの「なつぞら」やってたなぁ。「ロビンソン」も久々に聴けて感動したし、音漏れではありながらも念願の「美しい鰭」が聴けた。
そして、最後に「魔法のコトバ」を演奏して、スピッツはステージを後にした。

花は美しく トゲも美しく
根っこも美しいはずさ

魔法のコトバ/スピッツ

いつ聴いてもこの歌詞素敵すぎる。最後の最後までスピッツによる不思議な力で涙が止まらなかった。

全7曲。どれもメジャーな楽曲で、3年ぶりに生で聴く自分にちょうどよかった。それと同時に、今度はちゃんとチケット買ってワンマンで聴きに行きたいなとも思った。ありがとう、スピッツ。約束しなくてもまた会いにいくよ。

ちなみにスピッツ終わった後にすぐ帰ったので、アンコールのKREVA×草野マサムネコラボは聴き逃しました。殺してくれ。


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