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期待値無限大│アルファタウリ・ホンダAT02徹底考察-F1 2021新車レビュー

18シーズンから始まるHONDAとレッドブルグループとのパートナーシップのきっかけを生んでくれたチーム。そして21年シーズンは角田裕樹選手が正式ドライバーとして参戦。
小林可夢偉以来7年ぶりの日本人F1ドライバーが駆るチーム。
そして、HONDAのF1参戦最後の年※1
角田君がF1で実力を発揮したら一体どんな走りを見せてくれるのか?
本当に楽しみですよね。

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■新車(AT02)

いやぁやられました。新車発表会のマシンがこちら

いやぁ、恥ずかしい。
各種メディアで、アルファタウリ新車AT02発表。と書かれていたので疑うこともなくこのマシンを見ていました。
「AT01のカラー変えただけ」であることに気が付くまで・・・

という事で気を取り直して、チームから出されたAT02のレンダリング画像がこちら。


■ファーストインプレッション

まず、事前に開発責任者のジョディ・エギントンの言葉を抜粋。

『AT01』はこのチームがこれまで作った最高のマシンだったと私は確信している。『STR14』も悪くはなかったが、『AT01』はシーズン通しての開発がとてもうまくいった。2021年には大きな変更をするにはトークンが必要で、そのトークンは1チームあたりわずか2つに限られている。我々のシャシーとパワーユニットは優れたベースラインになると信じているため、トークンは他の場所に使った。
(中略)
そして2トークンを新しいノーズに当て、アウトボードフロントサスペンションをリデザインした。

フロントノーズは空力パーツではなくて、構造物なので変更には2トークンが必要。フロントノーズの開発にその2トークンを使い、それ以外は空力パーツの変更というコンセプトが今年のマシン。

でも、本当に写真を見比べても、AT01からAT02への大きな変化が見えない。
フロントノーズも2トークン使って変更したようには見えないし、ほぼすべてが昨年のキャリーオーバー。
それくらい昨年のマシンの素性が良かったので、2022年の新型マシンにリソースを傾けたのか?それともフロント回りは公式テストでお披露目されるのか?正直に個のレンダリング画像をそのままAT02として捉えるのは危険な気がします。

■フロントの変更は錯覚レベル?それともダミー?

とはいえ、よーく見てみました。

まず、フロント回りを正面から
フロントウィングはそのまま昨年型が搭載されています。
フロントウィングは当然アップデートされるはずなのでレンダリング画像では隠しているものと思われます。
赤やじるし部分は後ほど触れますね。

肝心のフロントノーズ。言葉の通り受け止めて「若干細くなった」と書いているメディアもありますが、カラーリングが白から紺に変更したことで細くなったという錯覚があるレベル。画像を重ねてみるとほぼ変わってないことが分かります。

前から見て、形状が変わっているのはフロントのブレーキエアダクト。先日発表されたマクラーレンとは逆に、昨年型よりも若干大きくなっています。

どうしても気になったので、斜めからの画像も重ねて検証してみました。
こちらも色の違いで、見づらくなっていますが若干の違いを発見することが出来ました。

1、AT02はフロントノーズ横に昨年のREDBULLやMercedesのようなフィンが追加されています、それに伴いフィンの上部がノーズと接続されていて(※黄色い部分)前面からの気流をノーズの下ではなく、左右の下部に振り分けて、マシン後方に導きたいという思想を見て取れます。

2、上のフィンに導かれた空気を再度に流すバージボードの始まりが若干後ろに下がっていることもわかります。この辺りはノーズの構造というよりも、空力パーツに分類されるはずなので、やはり今回のレンダリング画像では本当のフロントノーズは隠されているのではないかと思います。

■整流思想を突き詰めたマシンサイド部分

マシン側方に目を移すとバージボードもほぼ昨年型を踏襲。アップデートを行った部分が3つ目につきます。
逆にアップデートが3つだけというくらい昨年のマシンからコンセプト変更はせずに、より煮詰めているマシンであると言えるでしょう。

1、サイドポッド横の形状アップデート
青やじるしの部分。丸で囲んでいる昨年マシンと比べるとコックピットから直接繋がっていた上部のエアロが切り離され、垂直方向のフィンが若干延長されています。

2、次にバージボード前半と後半
ひとつは「黄色やじるし」部分。端から4枚目の縦型フィンが上まで延長。そして「赤やじるし」部分。接続部分が横スリットで横方向に整流している。

3、バージボード中央部への横型フィン追加
バージボードの中央に気流を下に導くためのフィンが追加されています。

この3つを総合して考えられるのは、前面からの空気を、マシンの下部に導き、より整流した状態でマシン後半のフロアに流すことで、フロアのレギュレーション変更によって失われたダウンフォースを補おうとしているということ。
ジョディ・エギントン曰く最高傑作のAT01の高い性能を損なうことなく必要なことに集中しているという事が言葉からも、マシンからも見て取れますね。

■マシン後方を簡単にレビュー

マシン後方。今年はフロアのレギュレーション変更をどのように対応してくるかを注目しているんだけど、アルファタウリは斜めの一直線ではなくて段差を付けた形状。レギュレーションぎりぎりまでフロアを大きくしようとしていると思われます。

赤やじるし部分、今年はスリットを入れることが禁止されているけれど、フロアの端を縦方向に持ち上げることで、空気のカーテンを作り気流の剥離を防ぐ努力を感じます。これ、他のチームもすぐにテストしそうですね。

マシン後方のカウル。こちらも適正進化といって良いのではないかと思います。
サイドポッド上部、肩はAT01よりも若干のなで肩になったように思います。
また、サイドを絞り込むことで、より意図的に空気を早い段階からフロアに流そうとする意図。これは昨年のMercedesや今年のマクラーレンなども取っているトレンドの通りですね。

■総括

中段グループであるアルファタウリは色々な部分に手を入れるほどコストもリソースもない。そんな中、良さを残しつつ(リスクを最小限に抑え)、一点突破でマシンを進化させる。こんな思想を凄く感じるマシン。

ただ、やはり気になるのはこのレンダリング画像からはフロントの変更がほぼ見られないことは謎のまま。このまま微妙な変更で終わるのか、それとも隠し玉を用意しているのか?少なくともフロントウィングは変更されるはずなので、期待半分でテストを待ちたいと思います。

今日はここまで!!

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