【モーニングショーの取材とは別に】多くのキャンプ場は苦渋の休業をしていることを見逃さないでほしい

今朝のモーニングショーで、先週末某所がキャンプをしている人でいっぱいだということを放映していました。

正直、世間にこのことがさらされてしまうのかと心痛みながら見ていました。

ただし、その場所は関東郊外の河川敷であり、正式なキャンプ場、あるいはキャンプのための敷地とは言えない場所です。

自治体もすでに対策は取っていたものの、抜け穴をすり抜けるように次々とクルマが入り、テントが張られている光景が映し出されていました。


これを見た多くの人は、先週までの湘南のサーファーたちと重なり合わせる印象を持ち、サーファー同様キャンパーの多くを「そういうものか」と感じてしまうことでしょう。

先に言っておきますが、これがキャンパーの典型ではなく、ここにいた人たちが元々その傾向がある人たちだということです。


私が少し「おや?」と思ったのは、映ったテントがかなり本格的なものが意外なほど多く、昨日今日のキャンプ経験の人たちばかりでもないということです。

先週予想したことのなかで、検索でキャンプ場所を探している人は、

キャンプが好きだとかそういうことではなく、とにかく「どこかに行きたい」「行ける場所」を探している人の検索行動

と分析しましたが、こうやって明らかなるキャンプ経験者も含まれている実情の一端が見えてしまったことにとても哀しい気持ちを覚えます。

もちろん、ここのことですべてを語るつもりは毛頭なく、本当のキャンパーはそんな人たちじゃない!と大手を振って言いたいのは同じです。

ちゃんとしたキャンプ場はほぼ自粛に応えてくれていて、キャンパーもそのことを受け入れていることには変わりません。

そしてもう一つ。

ナンバーには県外が多く、中には大阪もあったという話です。

私は、話題にされた場所が最初わかりませんでした。

実際にはその町名を知らなかったので最初ピンとこなく、その後に「あそこだな」と察しがつきました。

いわゆるキャンプ場としての営業管理がされていない野営地として知られ、いっぽう以前から利用モラルがとても問われていた場所です。

私も掲載しているキャンプ情報メディアでも本年1月に取り上げられていました。

はっきり言ってしまえばキャンプ場ガイドなどに載るような場所ではなく、まさしくネット検索によって探し出せるような場所です。

ではなぜこの場所がそもそも人気となり、この期でも来ようとする人がいるのか。

おそらくそれは「無料」だからです。いや正確に言い換えれば「お金を払わない」場所だからです。同時にそれは「管理が緩い」ことも意味します。

自治体も決して今回ほったらかしなのではなく、テープによる自主規制もしたし、無理に侵入してきた人には帰るように声掛けをされていました。

それでも動こうとする人はいません。

「自粛してくださいと町も言っているが」というテレビ局のインタビューに、

「なんも思わないですね」と言い設営を続ける人。

「まぁ書いてあったのは禁止ではなく、自粛してくださいだから」と答える人。

それがここにいるすべての人言い分とは思えないにしろ、この時期にここに来ているということは、多かれ少なかれその性向があるということです。


以前に示した通り、日本における美しいキャンプというのは、マナーへの気遣いとモラルの順守の上に成立すると書きました。

多くのキャンパーはこうなのです。

今、この場所でキャンプをするのはそれはもうマナーという狭い範囲の話ではなく、現段階では重要な社会的「モラル」に反するものなのです。


もう、やめましょう。

行くのも、検索するのも。


キャンプはとてもいいものです。さまざまな幸福感をもたらしてくれます。

しかし、正しく巡ってきたチャンスで行ってのことです。


ただし、今回の取材ですが、逆に言うとこういう無料キャンプ場所に目を付けた人も人ですが、そこをよくも探し当て、ピンポイントで取材に赴いたテレビ局の情報察知力に驚きを感じます。

私だって多少は予測できても、そんなに簡単にこの場所を特定することはできないです。

もし仮に、仮の話、この土日にどこかへ取材に行くとなったら、今回のこの場所なんか思いもつきません。

どうしてテレビ局がそれを分かったのでしょう?

はっきりとは言えないのですけれど、やや確信犯(=キャンプに人がいるという満杯の様子を放映する)としてここにターゲットを絞った、そんな疑義すら持ってしまいます。

これをもって、日本の多くの場所で自粛を破ったキャンプをしてるんじゃないかという印象を思われたら一大迷惑です。

キャンパーにとっても、キャンプ場にとっても。

繰り返しますが、多くのキャンプ場は苦渋の選択で営業自粛しているのです。

自らが休業すれば誰も来ることができない、その選択をして休業をしてくれているのです。

そこのとだけははっきりと言いたいです。


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