見出し画像

2021年度共通テスト感想(英語リーディング)

共通テスト英語リーディングを解いたので去年に続き感想を書こうと思う。まだ内容を知りたくない人はここで戻ってください(といってもタイトルがタイトルなのでそういう人はいないのかもしれないが)。




全体の感想

単語・文法的には難しくない。しかし例によって量が多い。東進によると総単語数は約6000語で、去年より450語以上も多いのだそうだ。

去年に引き続き、文法や発音などの問題は1問もない。読んで情報処理、読んで情報処理、をひたすら繰り返していると途中で飽きてくる。集中力をどう持たせるかが課題になっているのではないかと思う。去年も書いたが、人間の集中力は有限なので「大事な試験なのでとにかく頑張る」と思うだけで乗り切れるわけではない。

各論


第1問は設問を先に読んで、欲しい情報を事前に知ってから読めばいちいち全部読まなくても解答可能だと思う。こういうところで時間と集中力を浪費しないようにするのが重要である(試験対策上は)。内容的には「ほんと情報処理だね!」という感じ。

第2問は図書館についての案内と、各国のペットについての話。英語的には非常に簡単なのだが、個人的には図書館の話でけっこう手こずって時間を使ってしまった。「どこに書いてあったっけ?」と何度も設問と本文をいったりきたりして解いた。

第3問は高校入試に出そうな日本文化の話と、山登りの話。日本文化の話はものすごく簡単なのでここで時間を稼いでおきたい。山登りの話は情報処理が面倒だったが、「本文を仮に一切読まずに選択肢だけ見てもまあまあなんとかなるのでは?」と思った(全部正解できるわけではないにせよ)。

第4問は家電を買う話。これは値段がいくらで……そうするとこっちの方がお買い得で……みたいなことを考えなければならないので面倒。第3問でも思ったけど「1単語見れば他全部読まなくても正解できる」みたいな、「高校入試のリスニングかよ」的な問題がある。ような気がする。

第5問は発明家の伝記を読むもの。これは個人的には内容が面白かったので楽しかった。ただ文章を全部読んで図も全部見て、ということを第5問でやるのはけっこう集中力的にも情報処理的にもしんどいですね……。解き方の方法論を確立しておいて、その上でどこから(本文か、図か、設問か)読むか現場で適宜修正してやっていかないといけない気がする。

第6問は昼型と夜型の人間をテーマにした話と、プラスチック再生の話。長いので読むのが大変。ただ全部読まなくても「たぶん答えはこのあたりにあるな」をざっと見つけることができればそれなりに取れるように思った。


まとめ

去年の試験が「英語のテストじゃなくて英語で書いてある情報処理テスト」と言われていたので今年は方向性を変えてくるかも、と考えていたが、別に何も変わっていなかった。ということは今後も当面この方針なんだろう。

逆にこの試験が英語的には簡単、と感じられなかったらけっこうやばいはずである。そして実際にはそういう人がけっこう多いのだ。現に令和3年のリーディング平均点は58.80点である。どうしても試験について発言する人はその試験でたくさん得点できる人になりがちなので「共通テストリーディングは簡単」とうわさを聞いて勝手に「それなら自分にもできるだろう」と安心してはだめだ。

来年以降に受験する人はまず1回解いてみて、どれくらい単語・文法が簡単と感じられるか確認してみる必要があるだろう。それから「そもそも日本語で書いてあっても意味がわからない・問題が解けない」という人は現代文の方も課題になるはずである。

「ざっと見て、このトピックはこの辺に書いてあるだろう、と探す」ことに関しては日本語の文章でも苦手な中高生が多いように思う。できる人から見たら当然できることなんだろうけれど、「このトピックどこに書いてある?」と聞くといつまでもいつまでも探している中高生は私の観測範囲では少なくない。日本語の文章で「いま見てるところの2行先に書いてあるよね!?」と思ってもそれが見つけられない……そういう場合は英語ならたぶんもっとできないと思うので、日本語と合わせて力を付けていかなければならない。

英語が簡単だと感じられるならあとは速く読むことと、情報処理をぱっぱかやっていけるかだけが課題になるものと言わざるを得ない。受験生(特に高校生)に向けて「単語さえやってればいいんだ」というメッセージが送られているのではないかと心配になるのだが、文構造がスムーズに取れるとか、そういう能力は当然の前提になっているのだと思う。そう信じたい。

ということで、またがんばっていきましょう。

サポートいただいた分は本を買ったりご飯を食べたりするのに使わせていただきます。ありがとうございます。