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私の100冊①~児童書篇~

この企画の目的は私が面白かったので読んでほしい本を紹介することです。方針は次のとおりです。


・自分が読んで面白かった本を紹介する

・シリーズ物は1冊と数える

・極力、1人の作者につき1冊とする

・絶版になっていたらごめん


「このジャンルを紹介しよう」と決めていたわけではないのですが、それなりにジャンルがまとまったのでジャンル別に紹介することにしました。はじめに、児童書部門です。ジャンル分けはなんとなくなので、「これは児童書じゃないだろ!」と思われる方がいたら申し訳ありません。


書影が出ると楽しいのでAmazonのリンクを貼りましたが、「Amazonで買え」という意味ではありません。どこでも好きなところでお手に取ってください。


①ルドルフとイッパイアッテナ(斉藤洋、講談社)

斉藤洋さんの本は大好きで、子供の頃に一番夢中になったのではないかと思います。本書は東京に迷い込んでしまった飼い猫のルドルフが野良猫のイッパイアッテナと出会い成長していく話で、講談社文庫にも入っているのでお好みでどうぞ。「知識や教養は持っているヤツが持っていないヤツをバカにするための道具ではない」というエピソードも出てきます。自分の縄張りに入ってきた野良犬を叩きのめした上でルドルフに「あいつだって好きで野良犬やってたわけじゃないだろう」と言えるイッパイアッテナかっこよすぎるな、と今でも時々思い出します。


②二分間の冒険(岡田淳、偕成社)

現代を生きる少年や少女がファンタジーの世界に飛ばされて冒険する話は昔から人気があり、本書もその系譜の中にあります。仲間と出会い、困難と闘い、自分に足りないものに気づき、自分の中に潜んでいたいいものや悪いものを発見する……いいですよね。これは大人になってから読んだのですが、愛の話だと思いました。


③梨木香歩『西の魔女が死んだ』

梨木香歩さんは描写がきれいで丁寧なのも魅力ですが、特にラストシーンを書くのが上手い作家だと思います。本書は学校に行かなくなった女の子がおばあちゃん(祖母)と交流する話なんですけど、ラストシーンで「おおおおお!」ってなるので読んでください。


④空色勾玉(荻原規子、徳間書店)

日本の古代を舞台にしたファンタジーです。ファンタジーというと西洋風に描かれることが多かったのですが、これは日本の神様が出てきます。あまりにもよかったので、しばらく他の本が色あせて見えて何も読めずにいました。


⑤100万回生きたねこ(佐野洋子、講談社)

100万回生きたねこはもう、説明不要の名作です。何十回読んでいるかわかりませんが、読むたびに泣くので未だにきちんと朗読することができません。途中で声がつまるから。


⑥クレヨン王国シリーズ(福永令三、講談社)

クレヨン王国も大名作シリーズです。kindle版が最近出ているようなので、そちらだと入手しやすいのではないかと思います。シリーズ最初の『クレヨン王国の十二か月』は、欠点の多いシルバー王妃がひとつひとつ欠点を克服していく話なんですけど、新十二か月の旅は、その欠点をひとつひとつ取り戻していく話です。好き。あとアラエッサとストンストンが大好きです。


⑦守り人シリーズ(上橋菜穂子、偕成社)

上橋さんは政治とか国の思惑とか、固いといいましょうか、そういう部分をきっちり描いてファンタジーを書く方です。めっちゃ面白いよ。ちなみに最初の話は『精霊の守り人』です。新潮文庫版もありますのでお好みで。精霊の守り人は皇子チャグムと用心棒のバルサが主人公格なので、子供の頃に読むのと大人になってから読むのと感情移入する相手が違うかもしれません。第一作の『精霊の守り人』は子供たちに人気があって第二作の『闇の守り人』は大人に人気があるらしいのですが、よくわかります。第二作で心をつかまれる大人、多いと思います。


⑧ぽっぺん先生シリーズ(舟崎克彦、筑摩書房、岩波書店)

生物学者の「ぽっぺん先生」が色々なことに巻き込まれる話です。児童書なのに主人公が思いっきりおじさん。でもめちゃくちゃ面白くて、しかも科学とか「愛って何だろう」とか、そういうところに導かれます。最初の話は『ぽっぺん先生の日曜日』。単行本は筑摩書房から出て、岩波少年文庫にも入ってるんですけど、岩波版はシリーズ全部は出ていないっぽい……?でも各話完結なので一冊だけでも大丈夫です。ちなみに私が一番好きなのは『ぽっぺん先生地獄へようこそ』です。復刊してほしい!!


ということで、100冊紹介できるようにがんばりたいと思います。

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