『休みが始まってもすぐに休みが終わってしまうことばかり考えてしまう』の回
いつからか、すぐに休みの終わりを気にするようになってしまった。日曜日の夕方にサザエさんを見ると、次の日の仕事のことを考えてしまい憂鬱になるというサザエさん症候群なる言葉が有名であるが、もはやサザエさんを見なくとも日曜日の朝には憂鬱になっている。まあ、そもそもサザエさんを面白いとは全く思わないから、子どものころから全く見ていないのだけれど。休日の終わりが見えている日曜夕方に加えて、あんまり面白くないサザエさんなんて見るから憂鬱になるんじゃない？ サザエさんの退屈さから、月曜日から始まる退屈な日々を想起してしまうんじゃない？ サザエさんがもうちょっと面白かったら、憂鬱な気持ちも少しはマシになると思うのだが。
自分でも分からない謎のスイッチが急に入って、サザエさんに対してえらい辛辣なことを書いてしまった。深層心理でサザエさんを憎んでいたのが、こんなところで顔を出してしまったのだろうか。サザエさんもびっくりしちゃったよね。ごめんね。まあ、そんなサザエさん批判は一旦置いておこう。子どものころは、土曜日には学校や習い事、部活があったから、丸一日休みである日曜日が一番好きであった。しかし大学生になると、日曜日にバイトが入ることがあったため、まだ猶予のある土曜日が好きになった。そして社会人になった今、働くことが嫌すぎて週初めの出勤から最も遠い金曜日の夜が一番好きになった。花金とはこういうことかと言わんがばかりに、金曜日の夜のありがたみを噛みしめている。
そして今や、先ほども書いたように日曜日の朝にはもう憂鬱な気持ちが顔を出してくる。なんなら土曜日の夜に『ああ、明日で休み終わりか・・・』と考えてしまうときすらある。もしも自分が山下達郎だったら"土曜日の夜はにぎやか"と歌う「DOWN TOWN」も、"土曜日の夜は始まったばかり"と歌う「土曜日の恋人」も生み出すことは出来なかっただろう。そう思うと山下達郎は大人になっても土曜日の夜にウキウキ出来てるのが羨ましい。めっちゃ陽気な人に思えてきた。こちとりゃあ、ダウンタウンに繰り出す気にもなれへんのに。
そして、土日よりももっとひどいのが長期休暇である。もうね、長期休暇は始まるとね、カウントダウンをしてしまうのです。始まりは、終わりの始まり。わたしたちは生きていると同時に死んでいっているのだ。せっかくの長期休暇なのに、折り返し地点に来たころには、『もう半分切ったんかよ・・・。早過ぎるやろ・・・。あんまりだよ・・・』と残りの日々を余命のように感じてしまって落ち込んでしまいます。そして残り半分の休日を謎の焦燥感を抱きながら過ごしてしまいます。長期休暇もやっぱり、入る直前の日の仕事終わりが一番嬉しくて楽しい。そして、長期休暇が終わるとすぐにカレンダーをめくって、次の祝日を探してしまう。どうせ祝日が来たって、うまく時間を過ごすことができないくせにね。ああ誰か、天から蜘蛛の糸を垂らして、こんなわたしを救い出してくれ。
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