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『「ウスッ」って言うのがなんか恥ずかしくて「こんにちは」に対するいい挨拶がない』の回

挨拶には色々ある。「おはようございます」に「こんにちは」、「お疲れ様です」などなど。これらの微妙な言い回しの違いが、ときにわたしを悩ませるのである。それは後輩に挨拶をされたとき。「おはようございます」と「お疲れ様です」のふたつには、それぞれフランクver.である「おはよう」「お疲れ」が存在する。だから後輩にこのふたつの挨拶をされたときには、こっちもフランクに挨拶を返せる。しかし問題は「こんにちは」だ。これにはフランクver.が存在しない。「おはようございます」も「お疲れ様です」もそれぞれ「おはよう/ございます」、「お疲れ/様です」と切る部分がある。それなのに「こんにちは」にはその部分がないから、フランクver.に変換できない。おそらく「こんにちは」に続く言葉としては「良い天気ですね」的なものが入るのであろうが、そもそもの「こんにちは」の「こんにち」という言い回しが丁寧であるから、これがメインの骨格になっている限りどう足掻いたところでフランクにはならない。それに毎日いい天気なわけでもない。なぜ「こんにちは」を挨拶の定型にしようとしたのか。もう少しよく考えようよ。ねえ?

このような後輩からの「こんにちは」という挨拶に対する先輩側であるこちらの返答としては以下のようなものが挙げられる。「ウスッ」「スッ」や「ちはッス」などだ。ただわたしにはこれらの返答ができない。なぜなら自意識が過剰だから。なんだか恥ずかしいのである。だってなんか野球部みたいやん。野球部でもないのにさあ。かといってそのまま「こんにちは」と返すのはなんだか壁があり、とっつきにくい先輩みたいになりそうで憚られる。ああ、がんじがらめ。生きていくのはこんなにも難しいものなのか。いっそのこと、わたしにはもう挨拶しなくていいよ、後輩たち。そもそも返すのも面倒くさいし。そっちも挨拶するの面倒くさいでしょ? え? コミュニケーションは大事だって? いやいや、しんどいしんどい。仕事なんか仲良くなくても割り切って協力しますって。駄目でしょうか、こんなゆとり世代バリバリの考え方は。


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