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【短編小説】僕の想い

「……」
その時、僕の中にふと疑問が湧いた。
なぜ、僕はこんなにも彼女に固執するのだろう? 彼女は、ただのクラスメイトでしかないはずなのに……。
「……あ」
そこでようやく気付いた。
そうか……そうだったのか……。
僕の中で渦巻いていたモヤモヤとした気持ちに、今やっと名前が付いた気がした。
「どうしました?」
突然立ち止まった僕を、彼女が不思議そうな顔で振り返る。
そんな彼女に向かって、僕は言った。
「ごめん、ちょっと先に行っててくれるかな?」
「えっ!?でも……」
戸惑う彼女の横を通り過ぎて、僕は屋上へと続く階段を駆け上がる。
そして勢いよく扉を開けると、そこには一人の男子生徒が立っていた。
その男子生徒は僕の方を見ると、「よお」と言って片手を上げた。
「悪いな、邪魔して。ちょっとコイツ借りていくぜ」
彼はそう言うと、隣にいた女子生徒の手を取って歩き出した。
呆然としている僕を残して、二人は屋上から姿を消してしまった。………………
屋上には僕一人だけが残された。
僕はフェンス越しに校庭を見下ろしながら、さっきまで一緒に居たはずの二人のことを思い浮かべていた。
なんで今まで気付かなかったんだろう。……いや、違うな。
本当は分かっていたはずだ。
ただそれを認めてしまうことが怖くて、知らないふりをしていただけだ。
だって、そうだろ? もしそれが本当だとしたら、あまりにも滑稽じゃないか。
「ハハッ」
思わず乾いた笑い声が出る。
「本当にバカだなぁ……僕って奴は」
こんなことならもっと早く自分の気持ちを伝えていればよかった。
そうしたら、あの子もあんな顔をしなくて済んだかもしれないのに……。
後悔先に立たずとはまさにこのことだと思った。……まあいいか。過ぎたことは仕方がない。
今はとにかく行動あるのみだ。
まずは謝らないとね。それから……ああ、あとちゃんとお礼も言わないと。
「待っていてくれてありがとう」
そしていつか必ず君に伝えるよ。
僕の本当の想いを───。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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