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【短編小説】初めての友達

学校で出来事。
「え?」
突然の申し出に、私はきょとんと目を丸くした。
「私もご一緒していいですか?……その、お手伝いをさせてください」
そう言って彼女は、はにかむように笑った。
「あ、うん……」
断る理由なんてないけど、なんだか気恥ずかしくて曖昧に返事をしてしまう。
「やった!」
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、嬉しそうな声を上げる彼女。
……まぁでも、一人より二人の方が心強いかな……。
それにしても、こんなにも早く彼女と二人で話す機会が来るとは思わなかったな。
「じゃあ早速行きましょう!善は急げですからね!」
「ちょっ……待ってよー!」……そして私たちは、一緒に下校する事になった。
***
帰り道の途中にある公園で、私たちはベンチに座って話していた。
ちなみに今はお互いに制服姿だ。
日が暮れて辺りは既に薄暗くなってきているけれど、私たちの他に人の姿はない。
そんな中、彼女がふと思い出したように言った。
「へぇ~……この辺にはよく来るんですか?」
彼女の言葉に、私は首を横に振った。
この公園に来た事なんて今まで一度もなかったし、そもそもこの場所自体知らなかったくらいだから。
それを聞いた彼女は意外そうな顔をした。
どうやらこの公園には何度も来ているみたいだった。
彼女はここの景色が好きらしい。
確かに見晴らしもいいし、雰囲気も悪くないと思う。
……でも、どうしてだろう? 初めて来たはずの場所なのに、どこか懐かしい感じがするのは……。
私が不思議そうにしていると、彼女がこちらを見て微笑んだ。
「友達になろう」突然の申し出に、私はぽかんとした表情を浮かべた。
……え?今何て言ったの?聞き間違いでなければ、確かに友達になってほしいと言われた気がするんだけど……。
戸惑う私に対して、彼女はもう一度はっきりと口にした。
友達になろう、と。
彼女は真剣な眼差しで真っ直ぐに私を見つめてくる。
冗談ではない事は明らかだった。
そして、私に初めての友達が出来た瞬間でもあった。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵は「Stable Diffusion」の「ACertainThing」で作成しています。

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