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【短編小説】死者蘇生

「じゃあ、行きましょう!」
俺たちは、再び歩き出した。
そして、数分で、さっきの場所に戻ってきた。
しかし、そこには、先ほどと違う光景が広がっていた。
地面に倒れている冒険者風の人たち……
その数は10人くらいだろうか? しかも、全員意識がないようだ。
どうやら、みんな、あのドラゴンにやられたみたいだな……。
俺は、急いで駆け寄った。
そして、一番近くにいた冒険者の脈を計ってみたが……
もうすでに死んでいた。
呼吸もしていないし、完全に事切れていたのだ。
これは、間違いなく即死だろう。
他の倒れた人達にも同じように確認したが、やはりみんな死んでしまったようだった。
ドラゴンは、俺達を追いかけるのをやめて、ここに戻ってきていたんだな。
そして、獲物を狩り尽くして満足したのか、どこかへ行ってしまったのかもしれない。
この人達には悪いことをしてしまった……。
せっかく助けたのに、こんな結果になってしまって……。
本当に申し訳ない気持ちになった。
「リク様……」
俺の様子を見て、ローラさんが声をかけてきた。
「うん……残念だけど、仕方がないね……」
俺はそう言ってから、少し考えた。
今の状況を考えると、ここで立ち止まっているわけにはいかない。
またいつあのドラゴンが現れるかわからないからだ。
しかし、このまま放置していくわけにもいかない。
なんとかできないものかなぁ……
そう考えている時、ふと思い浮かんだことがあった。
これならいけるかも!? 俺は早速試すことにした。
「えっと……『死者蘇生』!」
俺は魔法を唱えた。
すると、目の前で倒れている人の体が光り輝いた。
そして次の瞬間……
なんと、倒れていた人が立ち上がった! その人は、自分の体を確認しながら驚いている様子だったが、すぐに俺の存在に気付いたようで、こちらに向かってきた。
「おぉ!!君は一体何者なんだい?」
「えっ?僕はただの冒険者ですが……」
いきなり聞かれたので、つい答えてしまったけど、相手はかなり驚いた表情をしていた。「冒険者が、こんな高度な回復魔法を使うなんて聞いたことがないよ。しかも死者蘇生までできるなんて……。君はいったい何者だい?」
やっぱりそうなるよね……。
でも、本当のことは言えないしなぁ……。
「実は僕、最近田舎から出てきたばかりでして……。まだよくわかってなくて困っていたんですよ」
とりあえず、適当な言い訳をしておいた。
「そういうことなのか……。それならば納得だよ。それにしても君すごいねぇ。まさか死者蘇生ができるとは思わなかったよ」
なんとか誤魔化せたみたいだ。
「いえいえ、そんなことはありませんよ。たまたまできただけですから」
「まあ確かに普通はできないかもね。それでもすごいと思うけどね。あっ、自己紹介がまだだったね。私はこの近くの村で村長をしているものだ。よろしく頼むよ」
「あぁ、ご丁寧にありがとうございます。僕はリクと言います。こちらこそよろしくお願いします」
お互い挨拶を交わした。
初めて死者蘇生使ってみたけどゾンビって普通に話できるんだ。
てっきりアンデットみたいな感じになると思っていたんだけど……
村長は自分の胸に手をあてて言った。
「心臓が動いていない……」
「てへっ♪バレちゃいましたか?」
舌を出して軽く頭をコツンとした。

あとがき

本文は「AIのべりすと」で作成、挿絵はLINEの「お絵描きばりぐっどくん」で作成しています。

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