コントをどうするか
VVVFインバータの場合、1台のコントにいくつモータをぶら下げるかというのを考える必要があります。JR西日本の0.5Mシステムみたいなのは別にして、M車にモータが4台ついているような電車では1C4Mを基準にして、状況に応じて決戦を変えればいいんじゃないかと思います
たとえば5M5Tの10両つなぎの場合であれば1C4Mのコントを5台で性能的にも冗長性も問題ありません。コントの数も5台であればコスト的にも10両つなぎを走らせるほどの輸送量があるなら問題ないでしょう
GTO-VVVF時代には1C8M制御もありました。これは当時のコントが1基4000万円くらいしまして、たとえば4M4Tの8両つなぎだと1C4M×4基で1億6000万円になる。さすがにこれは高過ぎるってことで1C8M×2基にして1億円くらいにしたいね、みたいな話です。ですから1C8MにするならVVVFインバータ黎明期の車両でGTO素子の奴がいいでしょうね
逆に接続するモータの数を減らす理由は制御を細かくするためです。一応VVVFインバータ&ACモータ車はコントにモータを並列接続しますので、直列接続のDCモータに比べて空転には強いのですが、それでも4Mには同じ電流が流れますので微小な空転はどうしようもありません
もしこれを1C2Mにしてインバータにつながるモータを2基にすれば、よりモータの制御が細かくできますし、1C1M、つまり1台のインバータが1基のモータの操作に専念できれば空転制御をほぼ完璧に行えるわけです。もちろん車両価格は相応に高くなりますが、たとえば1C1Mのインバータに大馬力のモータを接続して、4M6Tなり3M5Tといった編成を組めば、トータルで低コストになる可能性はあります。ギアリングを7.07に設定し、190kwくらいのモータを1C1M制御にすれば、4M6Tでも通勤電車は成立するんじゃないでしょうか。雨の日はあまり運転したくはありませんが
もうひとつコントを増やしたくなるのが山岳線です。山岳線の故障は大事故につながる危険性があります。こんな時でも何かあった時生きてるコントが1台でもあれば運転継続が可能ですが、たとえば2両つなぎで1C4Mの1M1T編成だと、コントが故障したら致命的です
そのため山岳路線では、敢えてコントを複数積んで冗長性を持たせるシステムにすることがあります。たとえば南海高野線の2300系などは、2両つなぎで2M1C×4コント(東洋電機製)にしています。これなら1コント故障でも残りの3コントで安全に運転が継続可能です。なお、南海電鉄は高野線に限らず南海本線でも孝子越えをする電車は2コント以上を原則としています
もし設定中の架空鉄道に山岳路線があるなら、短い編成でも可能な限りコントを増やして冗長性を稼ぐシステムにすると「なるほど、この路線は厳しい山岳線があるんだな」と伝えることができるわけです
あと、PMSMを装備した電車は自動的に1C1Mとなります。これは永久磁石を使用しているためモータごとに磁束が変わってしまうため、モータごとに適切な弱め磁束電流を流さなくてはいけません。そのため複数のモータをまとめて制御できないわけです。とはいえ外見上は1C1Mのインバータ装置を4台並べて実質1C4Mっぽくなったコントを吊っていたりするわけですが
とまあこんな感じで、インバータの結線は、インダクションモータであれば1C4Mを基準に状況に応じてモータの数を減らせばいいし、シンクロナスモータなら1C1Mで決め打ちとなります
路線の状況に応じて、ふさわしいコントを吊りましょう