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ロストテクノロジー

 上の画像は彦島電鉄1900形のボディ部分をWindows付属の『ペイント』で2時間ほどかけて描いたものです。屋根と床下は作っていませんが、力尽きたというのが本音です。いや、架空鉄道で側面図をたくさん並べているサイトはすげーと改めて思った次第です
 こんな俺も、かつては側面図をガリガリゴリゴリ描いていました。台車も床下も画面を超拡大して1ドット単位でドットを打っていました。そう、昔はできたんですよ俺も
 それができなくなったきっかけのひとつが「側面図に対する疑問」でした。火元は俺なんですけど
 たしか俺が「架鉄サイトってどこも車両の側面図が市場のマグロのように並んでるだけだ」みたいなことを掲示板に書いたんだと思います。なんかそこから「マグロ絵」という言いかたが広まってしまいまいしたが、まあそれはどうでもよろしい
 この発言は当然ブーメランとして俺に返ってきます。じゃあてめぇの架空鉄道はどうなのよ、と。なもんで自分はこんなことを言った手前、側面図を使う手法を使えなくなりました
 そこで実車写真に自分の考えた車両を描くという、写真コラージュに走りました。風景を走る電車というのは実にいいものですが、これはこれで手間がえらくかかる。でもこれしか手段がなかったのでゴリゴリ描いておりました
 そんな中でずーっと昔に買って放置していたmyshadeの存在に気づきました。3Dでモデリングすればかなり楽できるんじゃね?
 そんで玉電鉄という架空鉄道の途中から3Dモデリングにかじを切りました。当時のPCはi486-SXの33MHz、めもりは8MBでした。3Dをやるにはかなり貧弱なスペックでした。1枚の画像を吐き出すのに半日くらいかかることもあったりしましたが、それでも手描きよりも圧倒的に早いのです
 車両1編成あたりに使えたデータ量は約3MB。6両つなぎで3MBだから2両で1MB。ちなみに今の彦電は2両当たり26MBといったところなので当時の3Dモデルは今とは比較にならんくらいシンプルなものでした
 それでも一度モデルを作ってしまえばパーツの組み合わせでいろいろなアングルの画像がいくらでも吐き出すことができる。これは本当に楽なので側面図に戻ることはもうありませんでした
 鍛えられない技術はどんどん劣化していきます。俺もmyshadeを使い続けて20年。もう側面図を描くことはまったくできなくなりました
 何のため申し上げますと、俺は側面図を嫌ってるわけではありません。何といっても車両の情報を的確に伝える手段としてはこれほど有用な図はないと思います。3Dだと見えるアングル見えないアングルを考えるとまあとにかくめんどくさいです
 ただ、「それだけ」ってのはどうなのよ? って当時は思っていたのでしょうね。列車ってのは風景の中を走っている。なのに風景がなくていいのか? なんてことを言ってた記憶があります
 俺はそれを3Dモデリングで実現しましたが、手法は他にもいろいろあると思います。側面図が悪いのではなく、表現手法について追及しない姿勢に当時の俺はムカついていたのかもしれません
 まあ、ただ一つ確実に言えることは、俺にもう側面図を描くことはできません