楽しくデタラメを

 昨日はタローマンを見ましたが面白かったですね。自己模倣を否定しなれ合いを否定し、他人の評価を気にしない。正しいことには一切の興味がなくただデタラメに感性のまま行動するタローマンは本当に美しいですね。俺自身も岡本太郎の思想はすごく好きで、主題歌の「うまくあるなきれいであるな、心地よくあるな」は本当に心に沁みます
 ですが、俺は岡本太郎ではありませんし実際の岡本太郎もそこまで尖ってはいませんでしたから、タローマンをすべて真に受けるのはこれまたどうかと思うんですわ。ですから架空鉄道を創作するときに少しだけスパイスとして効かせる程度がいいのかな、と思っています
 俺は架空鉄道において「面白いデタラメ」を目指しています。一見もっともらしいスペックを表記していますが、必ずデタラメになるよう破壊することは心がけています。まあ、デタラメが分かってもらえるとは思っていませんが

彦電の心地よくない電車たち。「お客様が心地よく過ごせる空間」とかそういった要素は微塵もありません。むしろ走りはかなりやんちゃです


 たとえば、彦電では16m級の2両連接車を走らせているわけですが、性能的にはどのくらいが妥当でしょうか。現在東洋電機は60kw級のモータを実用化してますのでこいつを使うとして、4モータあればまあ2.5km/h/sくらいは出せると思います。三相AC500Vを呑み込ませて2,000rpmくらいぶん回してやれば多分走行には問題ないでしょう。ギアリングは72:11=6.55としましたが、ここまで深くする必要もないかと思います70:13=5.38でも十分だと思いますよ
 ただ、定格2100rpmとなるとトルクはほぼ期待できない。そして彦電は平均駅間距離400mなわけで5.38ではあまりきびきびした走りはできない。ならばやはりギアリングは6.55がよろしい。そしてここでデタラメ要素を一振り。そう、6モータです
 こうすればトルクは360kw/1062Aで12000㎏くらい期待できますから、定加速領域で5.5km/h/sくらいいける。これなら少し余裕を見て4.5km/h/sでいいんじゃないかな、というわけです
 実際路面電車でこんな加速力を出したら自動車怖いと思いますが、そこはリアルにする必要はないでしょう。ガンガン自動車を煽ってもらいましょう
 電流値1062Aはちーと路面電車としてどうなのと思いますが、ここもデタラメでいいでしょう。おかげでパンタグラフはダブルスライダの2パンタというスタイリングが生まれました
 こうやって、彦電の電車のスペックはデタラメを加えて「こんなのありえねー、サマンサってバッカでー」と楽しんでもらおうと思ったんですが、架空鉄道の車両スペックで言えば俺なんかの架鉄よりよっぽどデタラメを極めたところはいっぱいあるんですよね……
 ただ俺のデタラメは「さいきょうのかくうてつどう」たりえない、心地よくないデタラメです。末端区間では電流制限がかかったり、DCシリースモータの電車と併結すると途端になまくらになるなど、デタラメスペックゆえにいろんなデタラメが露呈します
 一見きれいに見せてその実黒い電車。俺の求めるデタラメはそこにあるようです


SELD(1500形)とHRDA-1(1900形)の連結。ノッチアップにしてもブレーキにしても、1900形の性能はほぼ活かされないばかりかブレーキの同調を考えると笑うほかありません