寸法を追うのがアホらしくなる


左が2003年モデリング、右が2023年モデリング


 例の玉電700形、とりあえず昨日1日でこんな感じになりました。床下はありもののパーツを並べただけなので仮ですがまあ雰囲気で見ていただければ
 とりあえずここまでは「オリジナルの佇まいを尊重しつつアルナ工機に発注した電車」という線はなんとか守ってると思います。守ってるんですよ自分なりに
 たとえば側面窓ですが、これはアルミ押し出し材で固定しています。アルナのアルミカーであればアルミのユニット窓になるんじゃないか、そして角を丸くするんじゃないか(リトルダンサーみたいな電車は角ばってますが)という流れで角を丸めています

真横から見るとこんな感じです。車体強度(CU-77×2+SIVを屋根に搭載するのでちょっと強度は確保したい)を鑑みると2003年版のようなこんなでかい窓、つけられません


 側面窓はオリジナルがめちゃくちゃな寸法なので是正しています。窓寸法は950mm×950mmです。これは床面から820mmを下辺としたとき、幕板寸法を確保するには950mmが寸法的な限界だったからです。『公共交通機関の車両等に関する 移動等円滑化整備ガイドライン(以下交通バリアフリー法)』第33条2項にはこうあります

車体の側面に、鉄道車両の行き先及び種別を見やすいように表示しなければならない。ただし、行き先又は種別が明らかな場合は、この限りでない。

 なので好む好まざるにかかわらず、側面に行先表示をつけなくてはならない。そのためには窓高さを縮小して幕板を確保しなくてはなりません
 また、第33条1項は

鉄道車両の連結部(常時連結している部分に限る。)には、プラットホーム上の旅客の転落を防止するための設備を設けなければならない。ただし、プラットホームの設備等により旅客が転落するおそれのない場合は、この限りでない。

 とありますので、連結部の転落防止の外幌を付けるかホームゲートを完備しなくてはなりません。これもあとで取り付けます
 乗降口はオリジナルでも1000mmありましたからこのままでもよかったのですが(交通バリアフリー法では1ヶ所900mm以上の幅があればいい)、通勤型ということで1100mmに拡大しました。加えて乗務員室扉が400mmしかないというダイエット強要ドアだったのでこれを500mmに是正してます。ただ現実の話としてこのくらいの寸法の乗務員室扉は蒲原鉄道モハ12というとんでもねークルマがいましたが
 閑話休題。あと、『移動円滑化基準の標準的な整備内容』として

車体の側面に、車両番号(号車)等を大きな文字により見やすいように表示する。ただし、車両の編成が一定していない等の理由によりやむを得ない場合は、この限りではない。

 とありますのでどこかに号車表示を記載しなくてはいけませんね。日立の電車みたいに行先表示器内に号車を表示するという手もありますが、どう考えても大きさ的に「見やすいように表示」出来そうにもありません

 あと車端部をわざと大きく開けてます。ここに優先席のピクトグラムを入れる予定です。これも『移動円滑化基準の標準的な整備内容』に定められています。あと、ここに配電盤なんかを詰めます
 で、窓ですがオリジナルはぜんぶ固定窓になっていますが、改訂版は2ヶ所だけ開閉可能にしてあります
 とまあこんな感じでのんびりと進めてはいますが、当時の俺、数字を全く考慮せずポリゴンを組み合わせてたんだな~ってのを痛感します。車輪の直径なんかΦ=400mmしかないとかなんなんだ!
 まあ……20年前に比べて進化した、ということにしておこうと思います。それにしてもめちゃくちゃだ
 でもそれよりもムカつくのが、そこまでめちゃくちゃな寸法取りでモデリングしても電車には見えるってことだよなあ……いちいち寸法取って考えるのがアホらしくなるわ