回生ブレーキというデタラメ


彦島電鉄の電気機関車、10形。独ジーメンス製という設定

 彦島電鉄最後の未設定車両、10型機関車を現在モデリング中です。10形は1940年に独ジーメンス社に発注した機関車という設定なので、ボンネットはキャブとツライチに、台枠先端も大きくしないなど「ジーメンスらしさ」を加えつつ、かつ上信デキ1のクローンにならないよう形をまとめてみました
 そしてこいつにどんなデタラメ要素をぶち込んでやろうかと考えたときに「回生ブレーキ」というのはどうだろうと思ったんです。彦電は開業時にジーメンスからスターターセットとして回転変流器と機関車をセットで発注した。回転変流器ということは回生ブレーキがつかえるじゃないか! ならばジーメンスの機関車で回生ブレーキ装備というのはいけるんじゃないかとおもったんですね
 回生ブレーキということはマグアンプで界磁に電流を流し、起電力を調整するのでモータもシャントモータを使います。パンタグラフは当時のパンタでは比較的追随性の良いPS13。当時PS13はまだ登場していませんが、資材不足はすでに見えていた時代なので、少ない資材でそこそこの性能が出せる「決戦型パンタグラフ」を試作したとでもしておけばいいでしょう
 彦電としては回生ブレーキに適正なパンタグラフという意味合いで試作したのですが、異なる意味合いで世の中に波及するということはよくある話です
 で、回生ブレーキなんですが、当時勾配抑速ブレーキとして使われていた実績はありますが、停止用として使っていた例は多分ありません。京阪電車でも停止用かどうかは微妙なところだと思います
 なのでここで「機関車の停止用に回生ブレーキを使おう」という発想がどのようにして生まれたのかを考えないと、このデタラメはただのデタラメで終わってしまいます。このあたりが思いつかないままシステム構成を考えてしまったので、これからそれについて考えなければなりません
 個人的には楽しい作業なので文句はありませんが、ただ一行「この時代としては珍しく回生ブレーキを採用した」ですむ話ではありますし、多くの読者はこれで納得すると思います
 でも俺が納得しないんだよなあ、それでは