アイドルソングの「彼」のこと③

さて、ここまでスパガ楽曲の「彼」について少しばかり取り上げてきたわけだが、皆さんのなかには「そんなに文字数割いて大騒ぎするようなこと...?」と思っている人もいるのではないだろうか。
確かにこれらは「これぞアイドルソング」という感じで決して特異なものではなく、(そして私の浅い見識での話にはなるが)「これぞアイドルソング」的楽曲に出てくるシチュエーションや「彼」像としてもそこまで珍しいものではないだろう(あんまりわからないけどハロプロもそういうイメージあるし、48系は「彼」は必ずしもイケイケじゃないけど主人公の女の子は一軍っぽい率の高い印象がある)。


では、ここで私が普段聴いているアイドルのラブソングを比較対象として挙げてみよう。
...と、いってもひとつ挙げるのは選び方がなかなか難しいが、先日サブスクが解禁され(一部の)人々を騒がせたあのグループでもいってみましょう。

(今観ても特有のがグラつきがあって不安になるな...)


”ドラマティックに夢見たい 少女であるうちに見たい
期間限定オーダー中 わかってるつもりではある
ロマンティックに無我夢中 百点なんか取れない
君がいない季節が怖い 切ない切ない恋模様"


お分かりいただけただろうか。

これが「王道」アイドルだったら(皆さん、そろそろ私の勝手に定義づけたところの「王道」アイドルがイメージできてきましたか?)、楽曲中に「君がいない季節が怖い」的発想の女の子が登場するとはイメージしにくい。
いや、100歩譲って彼女たちが「君がいない季節が怖い」と歌ったとしよう。だとしても、響き方はだいぶ違ったものになるのではないだろうか。これは確信に限りなく近い「たぶん」だけど、表現する上での声のトーンとか表情なんかも違うだろうから、”「君がいない季節が怖い」、だなんてかわいいな”的な印象になるのだろうなという気がする。BELLRING少女ハート版だと「君がいない季節が怖い」に妙なリアリティがあるというか、うまくいえないけど「う゛っ」となってしまうのと対照的に。

というかこれまたド偏見ですが、一軍的なキラキラタイプの女の子たちなら「君がいない季節」にならずに済むようサッサと行動を起こして相手を自分のものにしてしまうか、そもそも次の同じ季節が「君のいない季節」である前提でひと夏の恋的なものをあっさり楽しめてしまうのではないでしょうかね。知らんけど.....................(※予防線)


”ひとつ ただ ひとつ
届けたい想いは 夏の夕暮れ
風にかき消されて”


しんどい。いよいよしんどくなってきた。やめましょう。


とにかく言いたかったのは、「普段こうした系統のアイドルを追っている身からすると、世間一般的には『よくある』アイドルソングの「彼」も主人公も属性が違いすぎるので、2年ぶりにnoteを更新したくなる程度には衝撃を受けた」ということです。

(あと1記事続く)




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