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【3/3】スマートエネルギーでまちづくりを!~自治体が進めるRE100電力調達~(SCI-Jウェビナー全文)

前半 村中さんのプレゼンテーションはこちら

後半 佐藤さんのプレゼンテーションはこちら

パネルディスカッション、質疑応答

土屋さん 村中さん、佐藤さんプレゼンありがとうございました。
ここから対談という形で進めていきます。皆さんの方からも、チャットの方でご意見ご質問ご感想をお寄せいただければと思います。

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杉原さん 村中様、佐藤様プレゼンありがとうございました。
視聴いただいている方のほうが私より詳しい方もいらっしゃるかもしれませんし、自治体で興味のある方がいらっしゃったらご質問を出していただければと思います。

質問① 入札とリバースオークションの違いについて、もう一度ご説明お願いします!

杉原さん 素人質問で大変恐縮なのですけど、入札とリバースオークションの仕組みの違いが、逆に分からなくなったところがあるので、入札とリバースオークションの違いについて、もう一度ご説明お願いします!

佐藤さん 通常の入札だと各社1回、札を入れてもらい最安の業者と契約することになりますが、エネオクの場合は1社が複数回入札でき、他社の価格を見ながら再入札できることで、何度でも入札してセリ下げることができます。

杉原さん 入札はどのタイミングで終わるのですか。

佐藤さん 入札期限を区切っていて、日時を指定して終わるようになっています。

村中さん 我々の強みは、紙やメールなどのアナログな処理ではなくシステムで組んでいるので、何なら最後の一秒まで入札できちゃうっていうところですね。今まで800施設ぐらいに対して運用してきましたが、電力会社さんが色々な入札の戦略も考えられながら入札をされてきています。
我々はオークションのルールをいかに公平に保てるのかという設計がキーになってくるので、システム面とリバースオークションを運用するための案内通知の仕方とかの運用面のノウハウをためています。それらの点を、官公庁さんにも認めてもらっているという状況です。

質問② 環境省のガイドに民間企業1社が取り上げられたのは、どういった経緯でしたか。

杉原さん 基本的な質問の後は大きいところをお聞きしていきたいと思います。カーボンニュートラルの宣言が出たことや環境省の RE100ガイドにも取り上げられたということで、世の中のトレンド的に御社のビジネスがどんどん応援されているような流れかと思います。環境省のガイドに民間企業1社が取り上げられるのはレアなケースかなと思いますが、どういう経緯で掲載されるに至ったのですか。

村中さん 一番初めのコンタクトは我々のプレスリリースを見られた環境省さんからご連絡をいただきました。どういうプレスリリースかというと、共同調達というエナーバンクの次の取り組みの鍵である、需要家毎のデマンド使用料の値を合成し会社や自治体さんを共同してマネージして入札する仕組みを特許として取得した、という内容でした。
環境省さんは、需要家や自治体に対して、データやデジタルを活用して再エネ普及を応援できないかという点をアンバサダーとして役割を持っていたので、電力自由化という文脈ではなくてその点についてディスカッションさせて頂いきました。その際に、環境省さんがまず自らRE100をやりたいということで、環境省保有の施設で利用するための調査業務を発注いただきました
環境省さんの課題としては、電力会社に参考見積もりを依頼してもそれに対する回答がよくなかったという背景がありましたが、我々は小売電気事業者さんとパートナーシップを結んでいたのでその課題の解決に貢献させていただいていました。その一環で、今まで相見積もりを取って契約をしていた低圧の少額随意契約であればエネオクを利用できるという話が出てきて、トライアルをしてみようという話になり利用いただきました。
その内容が、環境省さんが全国の自治体向けゼロカーボン施策のための取り組みについての再エネガイドを作成するタイミングとちょうど重なり、そこで環境省自体の実績を世の中に出すという形で環境省が取り組んだ事例ですよ、とリバースオークションエネオクを載せていただいた。

杉原さん 参考見積もりを取る中で業者さんの反応がよろしくなかったという話があったけれど、どんな背景があるのですか。

佐藤さん 参考見積もりを出すことが小売電気事業者さん側にはなんのメリットにもならないという実態があるからです。参考見積もりを出さなくても入札に参加でき、それで契約できれば良いので、余計な事務作業をしたくないという意図があると思います。

杉原さん そこでエナーバンクさんでプラットフォームとして小売電気事業者さんを抱えているので、各社さんからの見積もりが取りやすかったということですかね。

佐藤さん エネオクを通じて日常的に小売業者さんとコミュニケーションを取る中で、頭を下げながらなんとか協力してほしいということ伝えていました。

村中さん 色々努力しながら頑張ったという結果になります。

杉原さん ガイドに掲載されたからの反響はありましたか。

村中さん 初めに反響があったのは電力会社で、それまで10社位のところからプラス10-15社が問い合わせから契約に移行してもらえました。今は30社くらいの電力会社とやりとりをさせてもらうに至りました。この再エネリバースオークションの流れがどこまで普及していくかというところに対して、そのプラットフォームに入っておこうという事業者が増えてきたのだと思います。
あとは、自治体さんがゼロ・カーボンシティの取り組みを開始して何かをしていこうという時に、再生可能エネルギー調達ガイドにたどり着かれることが多く、その結果
エナーバンクに問い合わせが来るという今までになかった変化が起きました。

質問③ 各自治体と連携協定を結んで導入に至るまでのハードルは?

杉原さんガイドに載ってはいますが、実績を重視する自治体さんと各協定を結んで導入するという過程はハードだったという気はするので、どうしてできたのかというところを教えていただけますか。

佐藤さん リバースオークションという仕組み自体、官公庁自治体さんの中で取り組み実績がないという状況で、まず一つ大きなハードルはエネオクを使っていいのかということがありました。しかし、環境省さんの事例と、平成24年くらいから研究会が開催されトライアルもされて実際採用された自治体もあったということを、しっかり紹介させていただきました。また、いきなり大きくたくさんの施設へまとめて導入することは難しいので、トライアルとして1-2施設から始めてみましょう、というところからこじ開けていきました。

杉原さん 自治体が、やらないといけないがやり方はガイドに載っているという状況であれば、ただやればいいように考えられますが、どういう点が最大のネックになっているのですかね。先程のプレゼンのRE100の切り替えの課題は、現場感のある内容だと思いながら拝見していました。

佐藤さん RE100やSDGsを推進するセクションと契約を管理するセクションは全く異なる縦割りの文化ですので、どうしても一緒に進める上で難しい面があると思います。

杉原さん 土屋さん、縦割りの点はスマートシティ推進も似た課題がありますよね。推進する中で、縦割りではなく横で繋がろうという自治体さんも増えてきたなという印象もありますが。

土屋さん SDGsもスマートシティもそうですけど、横断的なセクションが立ち上がって旗を振りながらも、実際の個別の契約やソリューション導入になると個別の各部署が出てくる。部署間で連携をしたり目標共有をしたりという動きが、スマートシティの話でも実装に向けて盛り上がってきています。その流れが広がると、部署の連携についての問題意識が現場まで降りてきて目標を共有できるようになってくるのかもしれないですね。連携がネックになる話はよく聞きますよね。

村中さん スマートシティの枠組みと再エネ調達の枠組みをうまく接続できるようなコミュニケーションを張っていくと良いのではないでしょうか。今は、環境局の中の環境課や計画課が我々との取り組みを扱うのですが、施設を持っていたり運用を担当していたりする他の課や局に対して(例えばスポーツ施設だと指定管理側に渡して管理をマネージしている課がある)それらの施設のCO2排出を減らす・省エネを達成するという動きのためには、その担当者と連携しながら動いています。
横連携できるコミュニケーションにするため、さいたま市や神奈川県のような民間向けの施策であれば、スマートシティとして幅広い文脈で対応できる形に落とし込み、その中の一要素として電力のリバースオークションで再生可能エネルギーの普及をすることでスマートシティを盛り上げる形にできればと考えたりしています。


杉原さん 先程の協定書を出されていた事例でいうと、エリア内の事業者さんに向けて一緒に普及活動をしていくようなとりくみができる形に持っていけるとさすがだと思うのですが、どうやるとその状態まで突破しやすいですか。私もやりたいですが、なかなか難しいことじゃないですか。

佐藤さん 普通に民間でも一緒で、最初はとっかかりとしてDMをうち、我々の取り組みを紹介し正面突破をしたという形ですね。リバースオークションというわかりやすい特徴がありサービスが取りやすいと思っている。また、予算措置が不要なのですぐ取り組める、という枠組みを作るのが大事かなと思います。

杉原さん あとは、入札の手間は本来とてもかかるので、それがすごく簡素化されて、現場がすごく喜ばれるというイメージを持ちました。この手の話は、上から降ってきて現場が反対することがよくあるが、どうですか。

佐藤さん 実際にご利用いただいた官公庁自治体さんの担当者の方から、自分たちもエネオクを使って楽だったというコメントをいただいていますね。

杉原さん 私もスタートアップ支援をする中で、他の自治体さんでどうしたかを聞かれることが多いので、そこをノウハウとして持っていると進めやすいなと気がしました。

村中さん 創業時から自治体のリバースオークションマーケットを開拓したいということは一つのオプションとして考えていたが、開拓にはやっぱり難易度が高いという状況でした。しかし、菅総理の脱炭素社会宣言以降、風向きが急に代わり、「一番にやりたい」、「市として県として初!! などいろんな切り口で一番にやりたい」というニーズが出てきて、面白いと感じています。自治体さんの中でも、あの自治体よりは先にやりたい、隣がやっているなら自分たちもできるだろう、というバランスがあると思っています。

土屋さん すぐにでもどんどん導入されればいいなと感じる話だと思いました。また、環境価値分がある程度上乗せになるということを理解するということも大事かなと思います。価格を下げることだけではなく、カーボンニュートラルという大義名分に対しての意識がみなさん高まっているので、その追い風でどんどん導入されるのだろうなと思いました。一方で、導入がどんどん広がっていくとどうなっていくのかも気になっています。

視聴者様からの質問④ エネオクでは契約期間はどれくらいなのでしょうか?

杉原さん このウェビナーではリスナーのみなさんから質問が来るという特徴があるので、質問にお答えいただきたいと思います。

村中さん 質問者の方、ありがとうございます。契約期間は1年契約を標準としています。ただし、需要家側の希望があれば、2年や3年での長期契約の指定をして、それを満たす電力会社が入札をするという形を取っています。益田市で実施した水道施設は、36施設が2年契約で入札を実施しています。

杉原さん 先程、RE100切り替えの課題として年度末は集中するので分散してほしい、ということがありましたが、その点への対応は年度単位の予算で動いているため無理だと思うが、対応方法は何があるのですか。

佐藤さん 一部の自治体さんでは10月などで切り替えをしているので、4月切り替えに必ずしもこだわる必要はないだろうなとは思っています。テクニック的にどう切り替えるかことは自治体さんともう少し考えたいです。

土屋さん 10月契約や複数年契約も実際にあるのですね。

杉原さん お互いメリットがあるようなので、幅広い契約の仕方が選べるといいですね。

視聴者様からの質問⑤ 今後エネルギーミックスにおける電源構成が再エネ中心へ変わっていく中で、電力代の引き上げは避けて通れない課題でしょうか?

 杉原さん 原子力活用の方が再エネ普及より日本に向いていると思うのですが、業界のトップランナーの方からご意見をお聞きしたいです。

村中さん 国がなぜ再生可能エネルギーと言っているかというと、持続性の点ではなく、コストという点でも海外の標準に合わせると再エネが一番安くなるという時代がすでに発生しているからです。日本はまだコスト試算した時に明確に再生可能エネルギーが最安になると言えるロジックが立ち切れていないというのが、現状になります。なので、議論として、最安は火力だけど、取り組まなければいけない持続可能性・ゼロカーボンに合わせるのであれば再エネである、という若干矛盾した概念を押し出しているという現状です。
原子力に関しては色々な意見があると思うのですが、作ってしまった原子力は償却も含めて再稼働した方が経済性が社会としてあることは事実かと思うのですが、国民が納得するかと今の再稼働に対する基準をクリアしているかなどの別の要素を考えると、本当のコストはどうなのかという議論はあると多います。
一方で、再生可能エネルギーに取り組まないということは、グローバルの競争環境で再生可能エネルギーが最安になり、かつ、自然に優しいとなった時に、日本が再エネのオプションを取れない場合だとトヨタの社長もおっしゃっていた様に日本国内での生産をしなくなってしまいますね。再生可能エネルギーで作られた車しかグローバルで買いません、という世の中になったら、生産工場は日本から撤退しグローバルに置かれ、日本の雇用もなくなっちゃいます。
日本でも、グローバルでコスト性と持続性を保てる再生可能エネルギーや自然に優しい電源に取り組んでいかなければならず、その旗振りがカーボンニュートラルかなと私は思っています。

杉原さん ありがとうございます。再エネ普及はやらなきゃいけないし、やった方が得だよね、という状況であっても、そんなにスピーディーに切り替わっていない現状の背景の理由としては、再エネの電気代が高いという根本の意識があるからなのですかね。

土屋さん 電力自由化が始まった時からですけど旧一電ではない新電力系に頼って本当に電力供給が安定するかということや、市場高騰が報道されたこと等による、少し間違った情報のインプットが起きており足枷になっているのかもしれないなと思います。

杉原さん まだまだ幅広く情報発信をしてくということも必要なのかもしれないですね。

視聴者様からの質問⑥ RE100切り替えに適している自治体の規模・地域特性・規定などについて数値での目途可能でしたらご教示いただけないでしょうか。

佐藤さん 北海道から沖縄まで実績があり、全てのエリアで削減結果を出せています。県と市で自治体の規模として違いはあっても、対象の一つ一つの施設では変わりはないので、削減結果には違いはないと思います。
ただ、エリア毎という点では、再エネメニューを提供している小売電気事業者さんの数は異なり、特に沖縄などは少ないので、競争の起こりにくさに違いはあるかもしれません。

杉原さん エリア毎の小売電気事業者さんの数はエネオクシステムの中で見られたりするのですか。

佐藤さん そこは現状ではできていません。

視聴者様からの質問⑦ 今回の冬の寒さで新電力会社はかなりの損金が出たとうかがっています。そのようなリスクは「ない」という認識で良いのでしょうか?

村中さん 一部の電力会社が赤字を出したというニュースがありましたが、我々は電力会社をパートナーとして選ぶときには、電力をどこから調達しているかという点を積極的にヒアリングし重視しています。
市場からの調達比率が高い場合は市場リスクがあるということは前々から言われていて、太陽光が普及してきて市場からの電気が安くなっている市場調達を増やしたくなるのですが、割合を上げると夏や冬に電力が高騰することがあり、ポジションをとっていた電力会社が赤字を被りやすかったのです。
我々がプロとして自治体含め事業者向に案内するためには、パートナーの電力会社にヒアリングや分析をし、現状の運用や今後の需給の調達をどうするのか、需要家には価格転嫁する予定がないか、ということを参加の判断基準として厳しくチェックすることが必要になってくると思っています。

視聴者様からの質問⑧ 入札やオークションは時間ぎりぎりに集中する傾向にあるかと思いますが時間延長などはあるのですか?

村中さん 現状では時間延長の機能の実際はして無いのですが、例えば入札不調の場合、もう一度オークションを回して入札を行う処置はできるようにしています。
自治体は複数の事業者からの入札がない時は契約できないというルールがある場合があるのですが、既存のコストがある程度値下げされていたりして提案しにくい案件の場合は入札不調が起こりえます。
エネオクはデジタルで作られておりもう一度オークションを再現するのはボタン一つでできちゃうので、入札が少なかった場合に延長できる処置が可能です。

視聴者様からの質問⑨:利用料金が下がるというのは魅力的ですが利用する立場からすると、サービスレベルが下がる。例えば電力の安定性・トラブルシューティングなどのおそれもあるのでは?と思いますが、それは小売電気事業者が責任を持つという考えでよいのでしょうか?必ず最低価格を調達するという条件だと、小売電気事業者様のサービスレベルの条件が選択できなくなるのではとも思います。

村中さん リバースオークションという仕組みが一般化されていない理由は多分この課題にあると思っています。
一般的に、机・椅子・軍手など誰が作っても品質の差がないサービスに対しては、調達手法の一つとしてリバースオークションが活用される傾向にあります。我々がなぜ電力でリーバスオークションという枠組みを進めるかというと、品質やサービスレベルに差がつかないような領域になっているからです。小売電気事業者さんはサービスの差別化を色々と図っているのですけど、その役割の本質は、電気を需給バランスを見てリスクを判断しながらちゃんと供給し続けることと、請求書を送って集金をして請求管理を行うをソフト面がミッションになります。
停電復旧等の品質は地域の送配電事業者が担って同じ送配電から供給されるので、物理的な面では品質は変わりません。

杉原さん サービスレベルが下がるのではないかという不安感はどうしても素人的には出てくるものかと思いますが、サイトとかで公開されていたりしますか。

佐藤さん その点に対しては、オークション結果を取りまとめて入札した小売業者さんの情報や、不安の声に対するQ&Aを提案書にまとめて渡しています。

杉原さん 村中さんの説明には納得感があったので、この仕組みによりサービスレベルが下がるわけではないということさえわかればいいのかなという気がしました。

土屋さん ものによってこの仕組み導入可能なサービスがあるということですよね。

杉原さん そうですね、全部にリバースオークションがあればいいとはよく言われますが、サービスによって合う・合わないがあります。

村中さん 補足として、小売電気事業者さんは本当に努力をしていただいて入札していただいています。我々も送客をしながら小売電気事業者さんのサービスに対するお客様の声を反映しています。いろんな電力会社さんを見る中で、例えば契約プロセスをお客さんのニーズに合わせられるか、などのつまずき度合いが会社によってずれがあったりします。例えば、明細をWEBでしか出せないとか、必要なら紙ベースでも請求できますよということは、小売電気事業者さんが効率化を図る上で制限が出てきます。そこは我々がしっかり把握して、この電力会社はこの仕様で請求することになるけど問題ないかということを、契約時に判断できるようなインターフェースを用意することが今後必要になってくるかと思います。

視聴者様からの質問⑩ 一般家庭においては、単に電気だけでなく、通信料と込みでとか複数のサービスの抱き込みで価格を下げて提供するパターンがありますが、企業や団体においてもないのでしょうか?そのあたりを一律に時間でオークションにかけるのは難しいように思いますが何か工夫や制限はあるのですか?

村中さん 私も前職が某通信会社のセット割が大好きな会社でしたが(笑)、ガスとのセットはガス会社が提供してはいますが、法人ではセット割が好まれないマーケットではあります。
理由として、電力の部署は電力のみを担当している方が多く、他のサービスを複合的に見て双方を一緒に稟議に挙げるということがなかなかやりづらいんです。
ですので、小売電気事業者さん向けのサービスで言うと、価格だけで攻めて、プラスアルファのオプションは先程の動画で説明したようにチャットを利用することで「こんなサービスを使うこともできる会社ですよ」と需要家へ直接のアピールにも使っていただけます、という説明をしたりしています。

視聴者様からの質問⑪ エネオクサービスにおいて御社の利益はどのように確保されていらっしゃるのでしょうか?また入札の結果当初の契約金額から上振れした場合自治体側にその契約義務は発生するのでしょうか?

村中さん ビジネスモデルとしては、需要家さんは無料で、電力会社もパートナー契約を結び入札のシステムを使ってもらうところまでは無料です。我々のプラットフォーム経由で電力を契約していただいた場合、成果報酬としてプラットフォーム利用料という形で手数料をいただくモデルになっています。小売電力会社も契約しない場合はリスクがない形で参加しやすい環境を作っていて、お客さんとしても契約できなかった場合でも縛りがないので、比較的ライトにオークションに参加できるという形でやっています。
我々はデジタルを大事にしているので、運営にもコストはかかるのですけど、再現性をどんどん高効率にすることで、どちらのお客さんにも使いやすいプラットフォームを提供するビジネスになっています。

佐藤さん 行政の場合は予定価格があって、それより上振れした時は入札不調になるので、エネオクのサービスでも上振れした場合は入札不調になると記載した上で利用いただいています。ただ、現状では通常の場合、環境価値が上乗せになる部分が予定価格には反映されておらず現行の料金が予定価格としてスタートラインとして入札しているところがあるので、今後は役所のルールとして予定価格を決める時に環境価値部分は上乗せした上で予定価格を決めるという取り組みをしていただくことが必要になってくるかと思います。

視聴者様からの質問⑫:サービスレベルは小売電気事業者が担保するということですね?エネオクは小売電気事業者にとっては投資を含めた事業拡大という点からなかなか厳しい試練ですね。

村中さん 最初にリバースオークションを世に出した時には、電力会社さんから、このようなサービスは避けてもらいたいという声を何回もいただいていました。なかなか厳しいサービスを行っているという現実を身に染みながらも、需要家サイドのビジネスが電力の中で存在しないという課題を解決するためあえてこのポジションを取っています。
一方、RE100にどう取り組んでいくかという新しいマーケットというかお客様の最新のニーズを、我々のプラットフォームにいち早く取り込むことで、そこに対して入札の機会を電力会社さんにも提供できると考えています。例えば、環境省の案件は入札への参加は通常は難しかったりすると思うので、環境省との契約実績が一つあることで、その電力会社がそれ以降に再生可能エネルギーの電力販売がしやすくなるという別の価値を、プラットフォームを通じてサポートさせていただいている面もあると思います。厳しい環境を作りながら一緒にマーケットを開拓してきましょうという、というタッグを組んでいきたいなという思いでいます。

杉原さん 共創関係ですよね。Goodストレスというか、良い環境なのだと思います。

質問者の方 向き不向きのフィールドがあるのですね。広まってほしい仕組みのように思います。ご活躍をお祈りします。と言っていただいています。

登壇社一同 ありがとうございます。

エナーバンクが目指す世界は需要家目線のエネルギーサービス

質問⑬ どういう思いで起業しこの事業に取り組んでいるか?

杉原さん 冒頭にお聞きしたかったのですが、どういった思いでどういう世界を目指してこの事業を取り組んでいらっしゃるのかというところをお聞かせいただきたいです。

村中さん 電力というマーケットがすごく好きで、学生の頃に不都合な真実という地球温暖化の話を知り将来エネルギー領域で仕事をしたいなという思いを持ち、今ここにいるという状況です。
ずっと見ていた電力業界の世界は、いろんなプレイヤーやいろんな政治も関わる複雑なマーケットであり、世の中の人が簡単にその背景を含めて把握することは難しい世界かと思っています。
ただ、需要家という電力を買うことや、もしくは、今の時代では生活環境の中でCO2を排出する・しないを選択する権利がある中で、一般の人達がエネルギーというマーケットにアクセスしやすい環境インフラを整えたいなと思いがあり、まず第一歩としてエネオクという活動をさせていただいています。どんどん電力の領域をデジタルに置き換えていくことで、そこにアクセスして選べたり、そこで得た便益を違う価値に変換したりという世の中を作っていきたいなと思っています。現在、自治体さんとアクションしているところでも、一緒に社会を作っていこうとリーダーシップのある首長さんと一緒に連携しながら発信していけてありがたいと思っているし、責任も感じています。
いろんな方々にエネルギーってよくわからないんだよね、だけじゃなくて、こんな面白いとこあるのだ、こんなところで接続したら一緒にできるかもしれないね、っていうのを活動する中で引き出して、我々がいたから広がったと言える世界を作っていければ本望だなと考えています。


佐藤さん スマートシティの開発をやった中で、スマートハウスもメーカーさんと手を組んで売っていた時期もあったのですけど、スマート住宅を買ったのに電気代が高いと怒られたことがありました。そこで初めてスマートメーターのデータを見て、電気料金の契約を切り替えただけで電気の使い方を変えずに電気料金が安くなるのに、ハウスメーカーも電気工事屋さんも誰もちゃんとアドバイスできておらず、需要家に取って最適なものを選びにくいエネルギー業界だということが身に染みて分かりました。
最終的に電気を使う各需要家が情報を得にくい状況であり、最適な選択をするということが難しいので、そこを我々がご支援できれば、という思いでやっています。

土屋さん 電力の需給の問題は、需要家のサポート不足の問題が供給者側優位の世界から切り替わっていく中で、供給側の努力と同時にエネオクのような仕組みがあることでさらにカーボンニュートラルに向かっていくきっかけの一つになるのではないかと思うので、これからのますますのご活躍を期待したいと思います。

本日は貴重なお話どうもありがとうございました。

エネオクにご興味のある方は以下より連絡ください。

①リバースオークション検討の自治体の方
②エネオクのパートナーの方
③小売電気事業者の方
Mail:info@enerbank.jp Tel:03-6868-8463
担当 村中、佐藤

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・登壇者資料
https://www.sci-japan.or.jp/vc-files/member/secure/speakers/20210421.pdf

・登壇動画


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エナーバンクCEO 村中 健一
いつも応援してくださる皆様に村中健一は支えられています.本当にありがとうございます.