見出し画像

替えがきかない仕事(パフォーマー向)

マジシャンのサリトです。

本日もよろしくお願い致します。

サリトの仕事は「替えがきかない仕事」です。

基本的にマジックを披露してお金を頂いております。

日本ではバーやレストランを中心に活動していますが、時には出張営業する事もあります。

忘年会、新年会、企業パーティー、結婚式など
様々な場所に呼ばれて、マジックをする事があります。

サリトは結婚式に呼ばれる事が多く、
一生に一度しかない二人の晴れ舞台にサリトを呼んでくれるのは非常に喜ばしい事であり、サリト自身も最も気合が入り、やりがいのある仕事だと感じています。

まぁ、全てにおいてやりがいはあるのですが・・・


どんな仕事であれ、何かしらの商品価値があるからこそ成立するのだと思います。

例えば、
・店舗は商品という「物」を売ることで金銭を得る

・店員は「自分の時間」を店舗に提供する事で金銭を得る


そして、
・サリトはマジックを披露してお客様に楽しい時間を提供して金銭を得る

つまり「サリトのマジック」が商品だと思っています。

「マジシャン・サリト自身が商品である」と言っても過言ではないでしょう。

そして、商品というものは「お客様の求める状態」であるからこそ価値が存在します。


昔、サリトの祖母が亡くなった時、サリトは葬式に行かずに仕事をしました。

後日、両親にはこっぴどく叱られました。

しかし、サリトは食い下がりませんでした。
「マジシャン・サリトが商品だから、俺の仕事は代えがきかない」
と・・・。

泣く母親を相手に十数分話し合い、なんとか説得できました。

そしてつい1ヶ月ほど前に、父親が突然亡くなりました。

オーストラリアに着いた直後の出来事でしたので、
日本にすら帰れません。

ですが、サリトの仕事はそういうモノだと思っています。

はっきり言って、もの凄く辛いです。

世界でたった一人、何十年も世話になった親の死に目にすら会えない。
そんな仕事って正しいのだろうかなどとも考えました。

ですが、
お客様は、「マジシャン・サリト」を求めて依頼をし、企画を立てて、楽しみにしていてくれています。

それを個人的な事情でキャンセルまたは誰か代わりに行ってもらうなんて事はしてはいけません。

親が死のうが、我が子が病気になろうが、恋人にフラれようが
お客様には関係ありません。

具合が悪かろうが、ゲロを吐こうが、うんこを漏らそうが、
笑顔でショーをしなくてはいけません。

こちらの勝手な都合で突然のキャンセル、予定変更なんてありえません。

「MacBook頼んだらWindowsが来た」
みたいな感じです。

あ、これはWindowsに失礼なるか・・・

「巨乳の子だと思って指名したら、ただのデブが来た」
みたいな感じでは

ないか・・・。


とにかく、お客様が求めていない物を提供して正規料金をいただくなんて事はして良い訳がありません。

マジシャンという仕事はそういう仕事です。

そういった自覚とプライドを持って仕事に取り組むだけでも、
仕事への姿勢はもちろんの事、実際の演技にも影響は出てきます。

そういった姿勢というものは、必ずお客様やクライアントには伝わります。

覚悟のないパフォーマーは必ずそれがバレます。

これを読んでいる方もそういう「替えのきかない仕事」をしている人がほとんどだと思います。

この記事を読んで
少しでも仕事との向き合い方が変わり、
何かしら良い方向に向いてくれたら幸いであります。

ちなみに、母親と少し電話した所
泣きながら冗談まじりで
「金だけ送ってくれればそれでいい」

と言われましたとさ。


ワーワー言っておりますがお時間です。

でわまたっ!

※「親の死に目に会えなかったマジシャンの心境」が気になる方は下記リンクよりお進み下さい。
https://ameblo.jp/salyt-icrym/entry-12758532872.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?