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クリスマスアドベント2022年12月18日 p.4

※Salvador Coffee クリスマスアドベント2022 の特典ストーリーです。

タイトルの日付になると無料公開されます。


【コーヒーの種類】

コロンビア
スーダンルーメ種 コールドプレスナチュラルプロセス
アンドレス・キンセノさんのコーヒー

発売日未定

存在が新しすぎて、業界をこれからカオスに巻き込んでいくであろうコロンビアのコーヒー。

そして、従来の発酵プロセスや、ゲイシャのようなエピックなコーヒー、そしてアナエロビックファーメンテーションの感動を全て巻き込み、これからの時代を変えていくコーヒーであると確信しています。

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温度高めで淹れても低めで淹れても総合的に美味しいのですが、味わいや質感の変化などを楽しむために94℃くらいで淹れるのがベストかなと思います。

詳しいドリップの仕方はこちらの動画をぜひご覧ください◎

※2年前に撮影したハンドドリップの動画です。温度や挽き目や道具などは都度変えますが、現在もほぼ一緒のレシピを使っています。


【ストーリー p4】 新時代の幕開けか。コロンビアが仕掛ける戦略とは?


皆様は「インフューズドコーヒー」をご存じでしょうか?
その名の通り、フレーバーが人為的に添加されたコーヒー、それがインフューズドです。

ここ数年流行っている「エルパライソ農園」のライチロット、ローズロット、ライムロットなどが有名ですが、「素材本来の味」と「ダブルファーメンテーション」の掛け合わせで生まれたと説明されていたフレーバーが、実は人為的にエッセンシャルオイルが添加されたものだったという事件がありました。

これはコーヒーのサプライチェーンへの信頼に関わる問題で、消費者を騙していた!みたいなことにもなりかねない重要な事象でした。


この事件の後は、むしろ開き直ったようにインフューズドであることを認めて世界中と取引しています。

われわれロースターやバリスタも、「これはこういうもの」と割り切って取り扱ったり説明するようになりました。

その裏側にはやはり、先日配信したnoteにも書いたように、気候変動による収量減やデマンドサイドからの過度な要求などの問題があります。だからわれわれも強く言えないし、インフューズドの存在を強く否定できないのだと思います。(諸説)

実際お客さんはエルパライソで喜ぶし、っていう後ろ盾もあり。笑

サルバでは今まで扱ったことがありません。
何故かというと、単純に私が味わいで感動しなかったからです。

「感動しないものを客ウケが良いから売る」という行為自体が、お客さんを騙してるみたいで、自分のことも騙しているみたいで。やりたいことではないからやっていません。

その話は置いといて。

コロンビアのコーヒー生産の現場にはサイエンティストがたくさんおり、品種の研究や精製方法の研究がとても進んでいます。

エルパライソもその枝分かれのような存在なのだと思っています。

例えばインマクラーダ農園やラスヌベス農園などの秘境にある小さな農園では、コーヒーの歴史の始まりにより近い遺伝子をもつ品種の研究栽培が行われていたり、シャンパンの酵母を使ったスパークリングな発酵を研究していたりします。


良くも悪くも、このようにコロンビアのコーヒーシーンは最先端を突っ走っています。

こういうところから、次のトレンドが勢いよく飛び出してきます。笑


アドベントの最後に送るアンドレス・キンセノさんが作るコーヒーは、彗星の如く現れたインポーターのDA VIDAが買い付けて日本に輸入しています。

品種はスーダン・ルーメ。
コーヒーの起源であるエチオピアに程近い、南スーダン共和国の東ボマ高原というエリアで発見されたといわれる原種のコーヒーです。

精製はコールドプレス・ナチュラルプロセス。
温度管理を徹底したプロセスで、密閉状態において40℃で発酵させた後、流水を使って8℃〜12℃にキープした専用の発酵槽の中で3〜4日ほど発酵させます。こうすることで発酵のスピードや加減を正確にコントロールし、フレーバーを最大限引き出しつつ綺麗なアフターテイストを実現するのだそう。最後は通常のナチュラルと同じようにチェリーのまま乾燥工程を行なって仕上げます。

ちょっとややこしい難しい話だったかもしれません。笑

キーワードは「発酵」です。

今確実に到来しているトレンドは、発酵をコントロールする技術だと感じています。

スーダンルーメのような優秀なDNAのコーヒーがコロンビアの寒暖差が激しい高地で蓄えた糖分を存分に活かすには、発酵のコントロールは重要なカギになってくると思っています。


きっと来年や再来年のコーヒー業界では、世界中の有名な農園が発酵を管理するタイプの精製のゲイシャやエチオピア由来の品種を高い値段で次々出してきます。

そのほとんどが、コロンビア産のコーヒーになるのだろうなと
思っています。

われわれはそれをウキウキしながら喜んで買ってお客さんに説明します。

「このコーヒーは完全密閉かつ微生物が活性化しやすい温度下で120時間発酵させたあとに0℃の氷水に密閉状態で1週間浸して発酵させてホワイトハニープロセスを行なったもので、しかもゲイシャ種とロブスタ種の9:1ブレンドになっているんです!」

みたいなね。笑

こうして、皆様のコーヒー体験はアップデートされていくのです。

What's the Next Big Thing?

業界の最先端をひた走るコーヒーファンのわれわれは、常にアンテナを張って次のゲームチェンジャーを探しています。

Salvador Coffeeも全力でトレンドをキャッチしていち早く伝えていきたいと思っています。

ということで、ちょっと先取りしすぎた再来年のトレンド、スーダンルーメコールドプレスナチュラルをどうぞお楽しみください!


次回、12月25日が最終更新となります。
お楽しみに!

良い週末を!


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