住所不定探偵5/5

警察は俺を容疑者から外し、サミーズバーガーの内部調査を初めた。

警官の中にはサミーズバーガーの息がかかっていない者も多く、覚醒剤と拳銃を無邪気に押収した。

モナミは他殺と断定された。主犯は店長とされたが、彼は今後昏睡状態から起き上がることはないだろう。だから実質迷宮入りだ。

警察は俺を恨んでいた。無理もない。搾取構造がスムーズに運営できていたのに、それを部外者がかき回したのだから。日々の業務だって増えて、ネズミ取りでぼんやりする時間も減ってしまうのだろう。

「お前みたいなクズ、この一件が終わったら絶対ムショにブチ込んでやるからな」

それから警察署には何度か訪れたが、出会う警官全員が俺にそう吐き捨てた。

俺はバイトの籍はどうなるか、そもそも店舗は営業するのか、そういうことを考えるのが面倒だったので、バイトにはもう行かないことに決めた。

まあいいか、また淀川の連中の世話にでもなるさ。俺はそう思っていた。

【終】


毎度どうも