超絶戦隊スーパーレンジャー
「とうとう追い詰めたぞ!ワルサワ組長!」
スーパーレンジャーの拳が唸る!悪党たちは宙を舞う!事務所の隅に追いやられた組長は、それでもなお見苦しく抵抗する!
「クッ!何だってんだ!ただの土木事務所で暴れやがって!お前ら一体誰なんだ!」
「燃える炎は正義の証!スーパーレッド!」
「クールな知能で全てを解き明かす!スーパーブルー!」
「オッス!元ラグビー部ッス!スーパーイエロー!」
「母なる大地の命を守り抜く!スーパーグリーン!」
「美しいバラにはトゲがある!スーパーピンク!」
「五人揃って!」
「「「「「スーパーレンジャー!」」」」」
「今こそ市役所を脅して不正橋梁工事の大量発注させた罪を償え!いくぞ!スーパー・バスター!」
五人それぞれの武器が合体し、巨大なバスター砲となる!
「くらえ!アトミック・ブラスト!」
「UGAHHHHHHHH!」
ワルサワ組の事務所は、組長もろとも爆発四散!建機の重い破片が近隣のガラスを突き破り、周囲にはアスファルトの雨が降る!
「任務完了!これより帰還する!」
スーパーレンジャーのおかげで今日も街の平和は守られた!
明日も正義のために、戦え!スーパーレンジャー!
◇
その夜、静かな雨の降る中、スーパーイエローこと剛田力太郎の自宅マンションで、ブラスターの閃光が彼の脳天を貫いた。死後硬直した彼の遺体はテキーラの瓶を握りしめていた。あたりには大量のチューハイの空き缶が散乱していた。乱雑に並んだショットグラスには吹き出た血がなみなみ注がれていた。近隣住民の証言から、剛田は夜な夜な女性を複数人連れ込み、酔って騒いでいることがわかった。そして彼女らのほぼ全てが彼の暴力の餌食となっていた。
「自殺で処理されるでしょうね」
検死官は綿棒でルミノール反応を確認しながらスーパーブラックに問いかける。
「さあ、私の管轄ではないから、余計な口は挟まないことにするよ」
そう言ってスーパーブラックは闇に溶けていった。
【続く】
毎度どうも