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ペンギンの人生記録No.06

とある四月の平日⑥

給料日が来てから暫く経ち、支払いを済ませると残金が一気に減る。
生きる為にお金を稼いでいると目に見て分かる瞬間だ。
そこまでして生きる理由は自分にあるのだろうかと何度も問いかけては忘れようとする。
終わりの見えない問いかけに考える時間は今はない。目の前の仕事、やることに手一杯だ。

とある四月の平日⑦

休み明けの出勤程面倒な気分にならない。
それも平日の朝なんて通勤ラッシュで電車に乗るだけで疲れてしまう。
いつもより早く帰れるかわりに朝、地獄を見る。
遅く出れれば帰りが遅くなってしまう。
個人的に自分は前者の方が良い。
選べない身なのでそのシフトに合わせるがね。
久しぶりの早帰りを嬉しく思ったけど昼ご飯を書く時間が短すぎて適当に取ってしまいいつもより高い買い物になってしまった。朝から少しついてないな。

とある四月の平日⑧

朝からクソ眠い…。昨日試しに買ったバナナを食事に加えてみた。適度にお腹の調子を整えたいんだ。
仕事は裏方に行ってた為肉体労働が酷いたらありゃしない。
尚且つ、もの探しをしている時は時間を取りまくり、現場にいる人に手を煩わせてしまった。
「気軽に聞いてね」と言ってくれたが相手の話しかけていいタイミングが分からないし、何より…申し訳ない。
けど、見つけられず辺りをグルグルしてるのも見苦しいよなと気づいた時には仕事が終わっていた。
もう少し、人に頼れる人間になりたい。
そしてその分、自分も頼られる人間になりたい。

とある四月の平日⑨

今日も今日とて職場は暇…と言いたいところだけど、基本一人で行う業務を担当した為タイミングが悪いとヘルプを呼ぶようにした。
生憎他の人は違う所の手伝いに行ってしまった為仕方が無いんだけど。
基本人と話さずに仕事をするようになったから、前までの職場と大きく変わった。
他者と意見を述べ合いながら時折楽しさを感じながらするのが仕事だと思っていた。
仕事も勿論するけど何より楽しく過ごせていたのが懐かしい。
色んなものが無くなっていく気がする。
思い出も、感情も、自分の意思も。
底沼に抗いもせず落ちていくような、そんな感覚だ。たまに横を見ると分からなくなっている。
持っているアクセも誰かと一緒だった気もするが忘れた。
もしかしたら自分が好きなデザインで買ったのかもしれない。
どこかで見た気がする景色、いつの事か忘れた。
でも思い出す気もない。

思い出しても、意味が無い。
だから、段々無関心になっていく。

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