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きいた音楽#3 People In The Box 「15th anniversary - People In The Boxの正弦定理」2022/10/22 LIQUID ROOM

※10月当時に書いていたが下書きに残っていた。


お洒落メシ巡りをしている大学生でもないので、恵比寿になどリキッドルームへ行く以外で行ったことがほとんどない。サークルの現役時代にたまに箱ライブのために小さいライブハウスに行ったくらい。確か前回はcinema staffのワンマンで夏前に行った。今日はPeople In The Boxの15周年ツアーのファイナルだった。

実は夏のacid androidとのツーマンのチケットも取っていたのだがそれは急遽行けなくなったので、なんだかんだで去年の年の瀬以来10ヶ月ぶりにピープルを観たことになった。波多野さんのツイート通り「最高、いうなれば最高」だった。


ピープルのライブには2018年?以降は原則として1回のツアーにつき1公演はほぼ確実に行くようにしているけれども、今回初めて最前に陣取ることができた。整理番号10番以内ってこのくらいのキャパなら意外と引けるものなのがびっくりしてしまう。


ピープルの音楽自体は2012年くらいから聴いているものの初めてライブに参戦したのは2018年のkodomo rengouのツアーで、横浜元町にあるFAD YOKOHAMAとかいう200か300くらいしかキャパがないライブハウスで3列目くらいで観たのだけれど、とにかくそのときは子供連合の曲はもちろん旧市街を本当に3人でやっている(当たり前)のを目の当たりにして、私は今までこんな凄まじい音楽を聴いていたのかと衝撃を受けたのだった。3人がFADの狭いステージの上で三角形に向き合って銃剣を互いに突き刺し合うかのようにして最後のずっちゃ、ずっずっちゃをやっていたのが今でも忘れられない。当時アカペラをやりながらも不完全燃焼感が拭えていなかった私は、スリーピースバンドがこんなカッコいいことをやっているのに、私はいつも5人も6人もいる中で一体何をやっているんだろう?と悩まされて、というか半ば絶望さえしてしまった思い出がある。

それはさておき今日ははじめての最前列で、ダイゴマンのスネアの目の前あたりに陣取り、波多野さんと健太さんもしっかり拝見することができた。別に毎回最前に来たいわけではないのだけど、楽器の手元や身体の使い方がよく見えるのはかなり面白いのでたまにはやっぱり良い。O-EASTや旧スタジオコーストみたいな広さと天井の高さのあるようなところだったらむしろ後ろの方でゆったりと響きを感じながら聴くのが好きだけど、クアトロやリキッドルームくらいの規模と箱の形なら近い方が密な音を感じられて楽しい。
後日波多野さんの配信でこのような箱によっての楽しみ方の違いについてコメントしたら拾ってくださり、「すごくよくわかります、そうなんですよね」と心のこもった声で応じてくださり、コーストのなくなった惜しさなどもお話なさっていて嬉しかった。

セットリストは近年稀に見るあまりにもPeople In The Boxな完璧な選曲だった。She hates decemberに始まり、最新アルバムの曲がそれに続き、球体でライブハウスを軋ませ、バースデイのギターリフを完璧に聴かせたかと思いきや何食わぬ顔で懐胎した犬のブルースのフレーズをピアノではなくギターで美しく指弾きしてみせた。波多野さんだけではない、ダイゴマンは相変わらず安定で堅実なリズムを刻んでいたし、町Aのコーラスも頑張っていたし、健太さんは聖者たちに至るまですべて当然にベースラインを弾きこなしていた。

新譜が楽しみである。

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