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林檎の妖精 #17

帰りの電車に揺られながら、購入した小説を読み進めていた。微妙に違う部分もあるが、私が体験したことがほぼそのまま書かれていた。差し込まれている挿絵も、私が見た景色そのものだった。

(こんなに似るものだろうか・・・。)

この東山さんと話をしてみたいと思ったほどだ。この方も実体験を小説にしているのだろうか。

私が乗った列車がこの【夢幻鉄道】だとしたら、私が見た景色は「誰かの夢の中」らしい。一体、誰の夢なのだろうか・・・。

私自身があの世界にいるから、私の夢ではないと思う。となると、琴か?・・・いや、あの時間は恐らく起きていた。私が家に帰った時は、妹と一緒に部屋で遊んでいたし。でも、もしあの世界に仮にイシキュアマナムが居るとしたら、琴以外の誰の夢なのだろうか。

これさえ分かれば、またあの世界に行ける気がするのに・・・。

・・・ダメだ、肝心なところが結局分からない。どこの誰の夢か分からないなら、列車に乗れるタイミングさえ掴めない。イシキュアマナム・・・会えるなら会って、直接話をしてみたいのに。

(・・・今日は、帰ってからこの小説を読み進めてみるか。)

そう思いながら、窓の外を眺めた。

もうすぐ降りる駅に到着する。

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Created by Ryohei Osawa

こちらは、キングコング西野亮廣さんが現在制作を進めている【夢幻鉄道】という作品の「二次創作」となっています。

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