見出し画像

人はなぜ寝るのか?

私がこの疑問をもったのは、18か19の頃だったと思う。
当時は体育系の専門学校に通いながら平日フィットネスインストラクターのアルバイトをして、土日はトレーナー活動をしていた。
勉強にバイトに忙しいし、友達とは遊びたいし、何かを削って時間を捻出しないといけないので、睡眠を削っていた。
蓄積した寝不足は、不機嫌と体調不良と思考停止を招く。


寝なくても平気な人になりたい

ショートスリーパーに憧れていたけど、実は遺伝子的にショートスリーパーな人は全人口のうち1%満たない。世の中にいる自称ショートスリーパーは、みんなただの寝不足で睡眠に借金を抱えいると知って、公平さにホッとした。
寝ずに遊べたら!寝ずに仕事できたら!寝ずにうごけたら!
て思ったことない?
時間に追われたことがあると一度は経験あると思う。
人はなんで寝ないといけないんだろう?
寝なくていいなら使える時間はめちゃくちゃ増えるのに!なんて。

生き物は全部寝る。無脊椎動物も。

そもそも睡眠中ってめっちゃリスキー。
寝てるときはほぼ動かないし刺激にも鈍くなるし、敵に襲われるリスク高いじゃん。それなのにどんな生き物も絶対に睡眠するって、どんな重大な事情があるんだろう?
哺乳類だけじゃない。
睡眠時間の差はあるけど虫も、魚も、無脊椎動物もどんな生き物も例外なくすべての生き物がリスクを冒して眠りにつく。

寝ないと死んじゃう

1980年代に行われたラットの断眠実験(眠りを与えない)では、2週間の断眠ですべてのラットが死んでしまった。死因は敗血症。

人での断眠実験で一番有名なのは1968年の米の高校生によるもの。
最初の2日は眠気と倦怠(けんたい)感、
4日目には自分が有名プロスポーツ選手であるという誇大妄想、
6日目には幻覚、
7日目にはろれつが回らなくなり、
9日目には視力低下や被害妄想、
最終日あたりには極度の記憶障害などが生じたが、
身体には大きな問題はおきなかった。
そのまま続けていたらきっと命の危険があっただろうと想像する。

人はなぜ寝るのか?

生き物全般に睡眠が必要なことはわかっているけど、
【なぜ必要か?】についてはまだ全然わかっていない。

私は、自分の元気を保つために一番重要視しているのが、睡眠で食事や運動やストレス解消は二の次なので、睡眠・安眠・不眠に関してのアンテナは常にたっているんだけど

昔の睡眠の常識と、今の睡眠の常識は全然違う。
もし睡眠でお困りの方がいたらセルフケアレベルでできることをご紹介するので参考にしてもらえたら、と思う。

睡眠を整える方法(セルフケアレベルの話)

環境設定
・朝起きるまで室温を一定に保つ。
できればエアコンはつけっぱなし。快適な温度は人によって違う。薄い軽い布団が好きな人、パジャマが薄い方が好きな人、もこもこの毛布と羽毛布団が好きな人、自分の睡眠が一番快適な環境を作ることが重要。

・寝室の明るさを間接照明に。
日本の家はとにかく明るい。夜、帰宅して眠るまで、ホテルのバーや雰囲気の良いレストランくらいの明るさですごしてみてほしい。視交叉上核というところに体内時計のセンサーがあるんだけど、眠る前に目から入った明るい刺激(とくにブルーライト)を感じると体内時計は昼間だと勘違いをする。結果、眠気が遠のく。

・眠くなるまで布団に入らない
これは【パブロフの犬】の逆バージョン。布団に入ると目が冴えて「眠れない」という経験を何度も繰り返すと「布団は眠れない場所」と認識してしまうことがある。そんなときは眠れるモードになってからお布団に入り記憶を書き換える必要がある。

・カフェインとわくわくは大敵
「アデノシン」という超強力な催眠効果のある物質は、カフェインとわくわくややる気刺激で抑制される。まさに『眠気がぶっ飛ぶ』だ。寝る前に推理小説や展開が気になる漫画を読むのはおススメしない。

・睡眠中央時刻を意識する
睡眠不足をして回復するために寝だめをすることは可能だ。
睡眠中央時刻とは寝て起きるまでの中央の時刻のこと。
例えば、0時に寝て6時に起きたら中央時刻は「3時」だ。
睡眠不足を解消するときはこの中央時刻をずらさないのがコツになる。

「明日は休みだから長く寝れる」と思うとつい夜更かししてしまう気持ちはわかるが、もし寝不足を解消しようと思っているなら、寝る時間を1時間前倒しして起きる時間を1時間遅くするのが正解。つまり、23時に寝て7時に起きれば、睡眠中央時刻はずれない。
この時間帯がずれてしまうと海外旅行に行ったわけでもないのに「時差ぼけ」と同じ状態になってしまう。
ただ!睡眠不足の解消は1日では解消できないことが知られていて、少なくとも4日は負債をかかえる。
こわいことに、睡眠が足りていないとしてもほとんどの場合、寝不足だという「体感がない」ということを知っておきたい。

睡眠はオフラインでのメンテナンス作業

睡眠の研究第一人者、筑波大学の柳沢正史先生によると
睡眠は「PCがオフライン状態で、バックグラウンドでメンテナンスを行っている」状態。実は寝ているときも脳は活動を止めていない。
メンテナンスが中途半端な状態で毎日毎日動かし続けるとPC早く壊れるかヒートアップしそうだよね。

日本人は全世界的に見ても睡眠時間が短い。客観的にとられたデータで、GDPと睡眠時間の長さが比例していることがわかっている。睡眠不足による日本の経済損失は18兆円とも言われている。寝る間を惜しんで働くのは、今の時代ナンセンス。生産性を上げたかったら早く寝なさい、が主流。

睡眠の評価

「眠りたい願望」と「不眠」がごっちゃになっている人がいる。
「日常生活に眠気が理由で支障がでているか?」が基準になるが、
眠りたいの眠れない、の理由が①時間がない②明日気になることがある③体内時計が乱れている④睡眠環境が良くない⑤シフトワーク(夜勤などがある)⑥カフェイン・ドパミン⑦メラトニンが分泌されないなどなど、眠れないめっっっっっちゃ理由はある。
どこに原因があるか推理するのは大好きだ。名探偵にでもなった気分。
「ちゃんと眠れていますか?」と毎回訪ねるくらい睡眠は重要で眠ると解決できる不調もある。

PS:痩せたい人は絶対寝て!!

睡眠不足でレプチン(食欲を抑えるホルモン)が出にくくなり、グレリン(食欲を増すホルモン)がいっぱい出ます。痩せたい人は絶対寝なきゃダメ。←基本、ひとにあれしろこれしろ行動指示はしないんだけど、これはがちだから絶対寝てw


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?