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災害派遣にならない時でも

災害が発生した時。
陸上自衛隊の流れについて簡単にまとめると

1、災害発生
2、被害状況の確認
3、派遣命令が下りる
4、被災地への災害派遣
自己流大まかなまとめ

自衛官は全て命令によって行動しています。
災害派遣も都道府県知事等に要請依頼を受け
被災地へ向かい支援をします。

依頼を受けるまでの空白の期間は
何をしているのか?
自衛隊さんいつまでもダラダラしてるんじゃ?
って思うかもしれませんが実は違います◎

いつでも出発出来る様に【出動待機】として
各駐屯地でみんな、準備して待っています。

一般の公式の災害派遣って
やっぱりイメージするのは男性。

でも女性もたくさんいるんです◎

女性自衛官だった頃の私が
実際に今年の2022年3月16日の地震が
起きた時の流れをご紹介し、リアルな行動を
書いていこうと思います。

https://earthquake.tenki.jp/lite/bousai/earthquake/detail/2022/03/16/2022-03-16-23-36-46.htmlより


2022年3月16日 23時36分 地震発生。


当時、旦那は泊まりの仕事で不在。
家には私と子供2人だけでした。

夜、揺れを感じてすぐスマホを見る。
地震が大きいのを感じました。

私の場合、地震が収まるまで待つのではなく。笑
とりあえず飛び起きてすぐ迷彩服を着ました。

福島県沖震度6強という文字をスマホで確認。
岩手県は震度5強、第3種非常呼集です。

第3種非常呼集とは
災害派遣に備えた処置の一例としては、管轄地域において震度6以上の地震発生時、呼集の有無に関わらず所属全隊員は集合するよう教育されている。
Wikipedia   非常呼集にて

私等のように夫婦自衛官で預け先がない場合
出勤する時に子供も連れて行きます。
最寄りに実家がある場合はそちらに
預けてから来る隊員もいます。


まずは子供のお気に入りの毛布を
まとめて車に積みました。
緊急時だからとチャイルドシートは外して
子供を1人ずつ毛布に包んで車で寝かせる。

再現するとこんな感じ。
後ろに荷物、夜逃げ状態。


呼集されたら1時間以内に
出勤完了しないといけない。

しかし当時、子供を連れては間に合わないと
感じて当直に連絡をしました。

焦らず向かう様に言われて再度準備。

福島で震度6強。岩手で5強。

深夜で被害状況は分からない。
長くなりそうだなと思い
翌日の保育園の準備、お菓子、パン。
あるもの全てバックの中へ。
短い時間でグルグル色んなことを考え処理します
オムツと着替えもパッキングして再度車へ。

岩手駐屯地に着いたのは深夜の1時頃。
真っ先に多目的厚生施設に向かいます。

3月16日 深夜の隊員多目的厚生施設


ここでは災害派遣時や非常呼集時にキッズルームというものが開設されます。
隊員が子供を預けられる様に備品が備えられています。

当時の様子。手前が私の娘 2歳と4歳


ぐっすり寝ているのを確認してから
対応してくれる隊員に挨拶をして
自分の仕事場に出勤します。
自分の机に座ったのは大体深夜2時頃。

そこから対策本部をつなぐ伝令という仕事や
災害派遣前の隊員の健康診断の紙をまとめたり
派遣可能な人数を確認する作業。

明るくならないと被害が
分からないのでそこからはひたすら待機。

合間に机や床でそれぞれ少し仮眠。

早朝、明るくなってきた頃。
売店で子供の朝ごはんを購入。

朝早く子供番組を見る娘
手前の迷彩服が当時の私


朝ご飯を食べさせた後は
最寄りで通っている保育園に預けにいきました。

明るくなり被害状況が確認されて
上層部の方で派遣の有無など確認。
岩手からの支援部隊を振り分けます。

この時岩手駐屯地から派遣があったかは
記憶が定かではないのですが(ごめんなさい)
私はそのまま通常業務に戻りました。

大きな地震があった時の一般隊員の
流れはこんな感じです。

全て終わった後は力が抜けて
朝日が目に染みて眩しくて少し体は怠い。笑

早朝、手を繋いで売店でサンドイッチを買う時
娘を見ていたらとても楽しそうでした。

ニコニコして
パパかっこいいね。ママすごいね。
自衛隊楽しいね。と言っていました。
隊員の皆さんが温かく見守ってくれるお陰です。

子供用の簡易ベット
絵本コーナー
ベビーベット
お布団もクリーニング常備しています


今は備品が充実して子供が楽しめる環境が揃っていますが東日本大震災の際は長期に渡り、とても大変だったそうです。

その中でも現場出動をし派遣任務に
あたる女性自衛官はたくさんいました。

これは表敬訪問の際に聞いた話ですが、東日本の被災地では女性自衛官の存在はとても重要視されたそうです。

女性被災者が避難所で生活する上での性的な悩み(生理用品や下着の洗濯等)男性には相談しづらいことを話したり、改善案を出したり。

女性隊員の存在は大きかったそうです。

その中にも恐らく子供がいる隊員もいたのだろうと思うと先輩自衛官の強さと逞しさを感じます。

かつての経験からキッズルームの備品は年々充実し、子供たちも楽しく過ごす事が出来ています。

実は私実際に災害派遣で
現場に出動した経験はありません。

でもこんな風に災害派遣がかからない時でも
いつでも出動出来る様に隊員は準備をしています。


独身の時はまだ自分の準備だけで良かった。

でも家庭が出来て子供を授かった時に
初めて思い知った。

お母さんは24時間365日休みなし。
自衛官は24時間365日即応体制の維持。

乳幼児はミルク、幼児はオムツ。
着替えとかその他諸々考える事も準備するものも増えてお母さんってすごいなと心から実感しました。

不思議と派遣準備をしている時はスイッチが入って仕事モードになって何も感じないけど。

こうして非常時働けるのも
子供達の協力もあるなと毎回感じていました。

お陰で逞しく健やかに育ってくれている我が子。

撮影協力 次女とパパ


支えてくれる近所の方々や保育士さん
上司や後輩にはいつも感謝をしていました。

今後もみんな健やかでありますように😊

正式な流れは公式HPで!
→ https://www.mod.go.jp/gsdf/about/dro/

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