【香り旅レポ】お宿編;柚子屋旅館(京都)
水尾への旅は予定にはなかった1時間のトレッキングが入ったので、健脚の私も流石にクタクタ。目的の柚子も買えて一刻も早くお宿に…と京都駅を経由して辿り着いたのは、祇園にあるその名【柚子屋旅館】。
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水尾では柚子湯やお食事に立ち寄れないことは分かっていたので、お宿で柚子湯に入れたら最高なんだけどな…と思って探し当てたまさにうってつけのお宿でした。
入口は八坂神社のほぼ境内と言っていいくらい隣接しており、門をくぐり石段を上がって玄関に入ると、早速柚子のおもてなしが。
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こちらはかつての古い宿を手入れしたそうで、こじんまりながらとても京都らしい奥ゆかしい作りの旅館です。
案内された2階のお部屋はちいさな中庭をぐるりと取り囲むように並んでおり、祇園の喧騒とは一線を画すプライベート感。旅の後半は観光よりまずゆっくり休みたい私にはとてもありがたい…
室内は純和風で檜風呂がつき、大浴場と両方で柚子湯が楽しめる!何という贅沢。
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練り込まれているのは皮ではなく、柚子種子
ひとまずは大浴場で湯に浸かりました。温泉ではありませんが、京都の柔らかい水質とぷかぷかと10個近く贅沢に浮かぶ柚子があれば充分です。早い時間で独り占めさせてもらいました(写真は他の方がいないスキに)
疲れがどこへやら…!ため息が出ますね。
その後はもう一つの楽しみ、料理旅館ならではの柚子懐石。懐石をたったひとりで食べるなんて、後にも先にもないかもしれません。
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あとはひたすら、柚子づくし。
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あらゆるメニューに柚香があしらわれ眼にも福を感じつつ、冬の沈んだ疲れをこれでもかと癒してくれるような一品ばかり。
鰆の杉板蒸しでは木の香も存分に味わい、これはもはやお口の中が和のアロマブレンドではありませんか。ちょっと贅沢すぎて何故か申し訳ないくらいです。
お酒も少々入り、普段のように男家族に挟まれることなくひとりだけの布団の至福を感じつつ、早い時間に眠りに落ちました。
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翌朝も柚子ジュースに始まる心尽しの朝食を頂き、さらに出発までに部屋風呂で柚子湯をリピート。全身に柚子の香りをまといながら宿を離れ、まだ紅葉が残る清水をマイペースに散策です。
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門前の松栄堂さんの入り口には、姿の美しい橘の鉢があり、古来ゆかしい植物にさりげなく出会えるところがまさに京都です。
こちらでは長年欲しいと思っていた、本格的な香炉を手に入れ充実の心持ちで帰路につきました。
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話は変わりますが、私は現在4歳の男児を育てています。
可愛い我が子ですが42歳高齢出産+コロナ前はワンオペ育児に近く、体力精神力ともにギリギリの生活が3年近く続いた所でふいにやってきたコロナ禍。
人命に関わるし仕事復帰は白紙になるしもちろん起こらない方が良かったけれど…夫の育児参加を促してくれたという意味においてのみ、我が家には大きな意義がありました。
今回は、その余波で実現した実に7年ぶりのひとり旅。もちろん日本の香りの源流を知りたいという思いと、刻々と変わる世情や自身の家庭環境もあり、できる時に行かねばという気持ちが極まっての旅でした。
だいぶ大きくなったとはいえ、夜中でも傍で寝ている子が風邪を引かぬよう細かく室温など調整するために起きて、またぐったり眠る生活の私には、とても必要な癒しだったと、いまあらためて思います。
できれば全てのお母さんに、こんな時間がとれると良いし、旅行は難しくても例えばサロントリートメントでそのリトリートを私の施術で感じてもらえたら嬉しいな、という感覚。
休業中ではありますが、施術こそ自分が最大限に持てる技術と想いを提供できると思っているので、このような心尽くしを自分が受けることで、モチベーションの維持にもつながります。
そんな私の希望に応えてくれる京の都、ますますリスペクトの想いがつのりました。
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日本には、まだまだ訪れていない香りの旅がある。
そう思うと、次なる機会に向けて知識と技術の研鑽に励みながら、不思議な出会いの引力でまたあらたな土地に旅立つ日に備えるエネルギーが湧いてくるのを感じながら、年末のいま、これから玄関にこの旅で出会った香炉をしつらえます。
次は北か、南か。
旅の候補がありすぎて困りますが、その時々の大きな流れに従い、【香り旅】を続けていきたいと思います。
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