来店周期を上げるには瞬間的な選択肢の限定が必要

2020年4月26日 19:25

原宿・表参道・池袋にシェアサロンを展開するSALOWIN代表の阿部です。また、美容室の稼働率を最大化させる「SALOWIN LINKS」というサービスも開始しました。

私は美容師ではないので、お客様側の立場で物事を考える方が慣れている。というか普通の感覚なのですが、「そろそろ美容室に行きたいなー」と思いつつ、「あーでもめんどくさい。来週でいいや」的な感じで1週間とか2週間後ろにずらしてしまうことが多々あります。

美容師側も１週間程度、来店が遅れるだけなら何も気にしないと思いますが、新規集客に掛けるコストよりも顧客化させた方が圧倒的に「費用対効果」が良いと言えますので、顧客の来店周期をコントロールしていくのは非常に重要だと思うのです。

今日はこのあたりについて思うことを書いてみたいと思います。

来店期間が１週間ずつ遅れた場合の影響

まず、来店周期が１週間ずつ遅れた場合にどのような影響を受けるのか？メンズを例に考えてみたいと思います。

メンズの場合、１ヶ月単位で髪を切ることが一般的かなと思います。なので5週間に1回髪を切る。とします。

こうなると１年間は52週なので「52÷5＝10.4回」程度は来店してくれる計算になります。客単価5000円であれば、年間金額は5.2万円です。

では、来店期間が１週間ずつ遅れるとどうなるのか？単純に「52÷6＝8.6回」の来店に減少します。年間金額は4.3万円になりますので、9千円ほど得られるはずの売上が減少することになります。

年間9千円程度であれば大した損失ではないでしょ笑

確かにその通りです。ただし、１客あたり9千円の損失なので、顧客が100人いる場合は、90万円の損失ですからね。結構な金額になる訳です。

もちろん、全てのお客様が1週間遅れる訳でもありませんし、早く来る時もありますから上記の通りにはなりません。

問題はそこではなく、来店周期を向上させることが重要ですよね。という共通認識をすり合わせるためにちょっと試算をしてみました。

さて、来店周期を向上させるためには、個別にお客様のステータス（来店頻度等）を管理し、状況に合わせて適切なコンタクトを取る必要があります。

一般的には、カルテで管理しているかと思いますが、カルテの性質は履歴の側面が強く、メニュー内容、会話内容、施術においての注意点などお客様のパーソナルな情報を管理することがメインだと思います。

カルテはまだまだハックできるなと思う。既存のカルテツールは紙をネットに変えただけで作業効率化の文脈が強いけど、もっとCRMの要素を強くすれば顧客の来店頻度や継続率を改善できるツールに進化すると思う。
— 阿部友哉（Yuya Abe） (@salo_abeyuya) April 17, 2020

以前、このようなツイートもさせていただきましたが、カルテが活用されるのは「お客様の来店後」ということになりますので、「受動的なツール」であると言えます。

一方、来店頻度を向上させるためには「お客様の来店前」にアプローチする「能動的なツール」が必要であると思うのです。

一部のカルテアプリでは、来店目安や来店周期が訪れると通知で教えてくれたりもしますので、上手に活用したら良いと思うのですが、それよりも普及しているツールと言えば、「Instagram」かなと思います。

今、Instagramを強化し集客に成功している美容師は新規だけで成り立っている訳ではありません。ストーリーや投稿を通じて既存顧客に「能動的」にアプローチが出来ています。

数ある選択肢の中からあなたを指名するのは、あなたの技術力や接客力だけでなく、美容室に行きたい！というタイミング。その瞬間にベストな選択肢を提供出来ているからではないかと思う訳です。

なので、その瞬間だけを切り取れば、顧客の選択肢を限りなく１つに近い状態を作り出していると言えます。

ちょっと補足すると、タイムラインには色々な投稿が溢れていますが、上記のケースは、会ったこともない美容師よりも何度か施術を受けた美容師の投稿に目が行くので、自然とお客様の中で情報の取捨選択が行われている。という意味です。

ただ、Instagramにも弱点があって、それは、全てのフォロワーに同じ情報を届けている。ということです。多くの場合、「ショート特化」とか「＊＊カラー特化」など自分の武器に合わせてInstagramを運用しています。

なので、今の戦略から顧客がなりたい髪型がフィットしなくなると、失客してしまう可能性がありますし、他の美容室を検討させる機会を提供してしまいます。結果的に戻ってきても来店周期の遅れには繋がりますので盤石ではない。ということです。

現在は、ここの穴を埋めるために、既存のカルテアプリなどを活用し１対１のコミュニケーションを行うことで解決は可能だと思います。

ただ、まだまだハックできる要素はあるんじゃないかな？と思っているのは、便利だけど「超便利」ではない。という理由からです。

この辺りは、解決方法を考えているので改めて記事を書きたいと思います。以上です。

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