コロナの影響で今後の美容室はどう変わる?想定される未来を考えてみた
原宿・表参道・池袋にシェアサロンを展開するSALOWIN代表の阿部です。また、美容室の稼働率を最大化させる「SALOWIN LINKS」というサービスも開始しました。
コロナの影響は1年程度継続すると思いますが、その間に多くの美容室は経営が成り立たず倒産してしまう可能性が高いと思います。
そうなると、生き残った美容室にお客様も美容師も集まることになりますので、コロナ前よりも採用も集客もやり易い状況が到来するのではないかと思います。ボーナスタイムですね。
しかしながら、この変化自体は一過性のものだと思います。
なぜなら、今回のコロナショックで美容室経営者や美容師の価値観は大きく変わると思いますし、それによって美容業界の未来は変わって来ると思うからです。
そこで今回は、これから美容業界はどのように変化するのか?あくまで想定の話ですが私の考えを書いてみたいと思います。
正社員比率が増加し相対的に美容師の年収が下がる
生き残った美容室は、お客様が以前よりも来店するボーナスタイムが到来しますので、採用もすぐに活性化していくと思います。その際、求職者側の美容師は保障のない個人事業主(業務委託)という形態にリスクを感じているでしょうから正社員での雇用を求める人が増加します。
美容室側も正社員を安価に採用できるのはメリットがあるし、条件が悪くても採用に困らなければ待遇を改善する必要がありません。(コロナで失ったキャッシュを取り戻そうとしますのですぐには給料が上がらないでしょう。)
そのため、正社員美容師は「保障」を手に入れる代わりに「待遇」を妥協しなければらない構造が成立すると思います。
開業は減少しシェアサロン勤務の美容師が増加
コロナ終息後もしばらくの間は開業を控えることだと思います。
ただし、自分でサロンを作れる程の実力がある美容師は、正社員で得られる待遇や裁量に満足できないかもしれません。なので、シェアサロンなどで独立するケースが増加するでしょう。
また、サロンが潰れたしまった場合に若手オーナーの受け皿としてもシェアサロンは機能すると思います。
ただし、シェアサロンの数は急速には増加しないと思います。シェアサロンビジネスは儲けが少ないことから、今回生き残ったシェアサロン事業者でも新規出店を加速できる余裕は正直ないでしょう。
そのため、シェアサロンに入りたいけど入れない。という状況が発生すると思います。
新規開業は小規模化し単価は向上する
大中箱のリスクは固定費の高さです。今回のコロナショックでそのデメリットが極端に際立ったと言えますので、今後、新規開業する美容室の多くは、小規模サロン(トータルの出店コストが1500万円以下、ランニング100万程度)になっていくでしょう。
小規模サロンの場合、最低限の人員と集客数だけ担保できれば利益を生み出すことが出来ますので、わざわざ安売りするよりも適正な価格で必要な客数を集客した方が効率的である。と考える人が増加します。
これによって、「低価格×大中箱×業務委託」というこれまでの勝ちパターンは一旦終息すると思います。
決して、「低価格×大中箱×業務委託」が無くなる訳ではなく、コロナショックを勝ち抜いた経営力のある美容室は依然として高い存在価値を示しながら拡大を続けると思います。ただし、出店スピードはやや低調になるとは思います。
媒体依存から脱却し自社集客に取り組み始める
「小規模×高単価×少人数正社員」で運営するサロンや「シェアサロン」が増加すると、自然と媒体への依存度は低下します。
特に、コロナショックでホットペッパービュティーへ依存することがリスクになることを身をもって体験したことから、上位プランへの掲載は見送る美容室が増加すると思います。
逆に、自社でコントロールしやすい、Instagram、youtube、TikTok、MEO、SEO(ブログ)などをハックすることが今よりも盛んになると思います。
ただ、ホットペッパービュティーが無くなるという訳ではなく、依存体質を抜け出し1つの集客ツールになる。という意味になりますので、依然として業界を引っ張るリーダー的な存在としては君臨すると思います。
広告経由の獲得単価が急騰し自社マーケが強い美容室が勝つ
ホットペッパービュティーの依存度が低下することで集客コストが低下するのか?と言われると、答えはNOだと思っています。
多くの美容室がホットペッパービュティーの依存度を下げることで、広告の出し先がInstagram等に変わります。これによって、広告の入札単価は値上がりしコスト増になると言えます。
したがって、販促費が節約できる訳ではなく、コントロールできるようになる。という点が変化のポイントであり、費用対効果はそこまで変わらないと思います。
そのため、オーガニックで「人」を獲得できる「運用力(WEBマーケティング力)」が強い美容室が低コストで集客が可能になりますので、より勝ちやすい状況が生まれると思います。
ブランディングされた個人と仕組み化された大手サロンが勝ち残る
これまでの美容業界は、ホットペッパービュティーさえハックできれば経営できましたが、これは厳しくなると思います。
そのため、個人でファンを持つ美容師もしくは完全に仕組み化された美容室が勢力を強めると思っています。
双方共に、独自の武器を保有しており、安価に集客が可能である点が共通点になり、浮いた利益を自社商品の開発など施術外収益の構築に舵を切ると言えます。
その点においても、集客で培ったWEBマーケティングノウハウを自社商品等に横展開するだけなので、比較的ハードルも下がり人気商品が生まれる可能性もあるでしょう。
あくまでも予測です
最後にこの内容はあくまで予測に過ぎません。コロナ融資が既存美容室に潤沢に行き渡るような場合、記載の変化は起こらないかもしれませんし、起こった場合でも徐々に変わっていくのかもしれません。
ただ、1つ言えるのは、これまでの美容室の運営は限界もありリスクも高い。ということが証明された。という事実です。
そのため、どこかの美容室が行動を変えることで業界の流れが一気に変わる可能性もある。と考えておくと良いかと思います。
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