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#4 ヨーロッパ研修記 〜カウンターカルチャー・フロム・ガレージ〜

ビール、サイダー、ワインの3つを醸すブルワリー Okidoki Brouwerij

Okidokiを訪れることを、とても楽しみにしていた。

 今年のBXLにも参加していて、ビール、サイダー、ワインの3つを醸すブルワリー。日本的にいえば三毛作というところだろうが、アムステルダムという都市で、はたしてどんな人たちが、どのようにつくっているのだろう?
 それを自分の目で見てみたくて、アポを取らせてもらった。事前のインスタグラムのメッセージも特別にカジュアルで、その雰囲気が心地よかったこともあり、とてもワクワクしていた。興味があれば、彼らのwebサイトも見てみてほしい。このメッセージで空気感が伝わると思う。

 ブルワリーはアムステルダムの北、Noordのヒップなレストラン、カフェが並ぶエリアから少し歩いた場所にある。近くには中古車のディーラーやオフィスが並び、とてもブルワリーがあるようには思えない。この日はEdialとLizの二人がリースリングの仕込みの作業をしていて、仕事中にもかかわらず、快くブルワリーを案内をしてくれた。

 決して広いとは言えないこの場所で、彼らはビール、ワイン、サイダーを醸す。もちろん、いずれもスモールバッチで。いくつかを試飲させてもらったが、とにかく実験的なアプローチが印象的。例えばこのビールはセゾンをベースにGewürztraminerという白ワイン用のぶどう、そして烏龍茶の茶葉を使っている。ただ、決して気を衒ったことではなく、基本的にラガーやセゾンと行ったシンプルなビールに基づいたアプローチゆえに、クリアで、非常に飲み心地がよい。

クリアなセゾンに葡萄と烏龍茶の茶葉を加えたビール
仕込んだばかりの若いリースリング

 「ビール、ワイン、サイダーの3つを同時にチャレンジしているのが興味深くて、訪問のお願いをさせてもらったんだ。」そう伝えた時に、Edialの表情は一気に和らぎ、たくさんのことを教えてくれた。
 ブルワリーができたのは2021年の後半、まだ2年くらいの醸造所だが、Edial自身はアムステルダムやカナダでホームブリューをしていて、共同パートナーのLizも元々Oedipusで働いていたとのこと。好きが高じてとはこのことかもしれないが、発酵や醸造を突き詰めていった時に、ビールだけといったように、どれかのカテゴリに特化するのではなく、自然的にこうなったようだ。「ブルワリーというより、ラボラトリーだね。」と伝えると、「醸造する度に毎回変化があって本当におもしろいんだ。」と嬉しそうなEdialの表情が印象的だった。

"Wild"のシーンはどこからはじまったのか?

出荷を待つオレンジワインたち

 今回の旅のテーマの一つである"Wild"。

4年前の2019年にアムステルダムを訪れた時には、正直ほとんど見かけることのなかったキーワードだ。
 「これはどこから始まったんだろう?」そう問うと、EdialはOedipusの名前を挙げる。アムステルダムにおけるOedipusの影響力はとても大きい。彼らがアムステルダムのクラフトビールシーンをつくり続け、そしてオランダにおいては彼らがWildをつくり始めた影響が大きいと話す。
 2019年にアムステルダムを訪れた際、Oedipusはそれこそ新進気鋭のブルワリーだったが今はHeinekenに買収され、街中でOedipusを見る機会も多い。たとえば、どこにでもあるようなスーパーマーケットでも、僕がステイしているホステルでさえもOedipusを手に取ることができる。(なおOkidokiの訪問後にOedipusを訪れた。この大小のブルワリーのコントラストがとても興味深く、"クラフト" が抱えるジレンマをリアルに感じる。これについては、あらためてどこかで整理したい。)

  Okidokiに話を戻すと、さまざまな影響を受けながらも、小さなガレージと小さなタンクで、ビール、ワイン、サイダーを醸すそのスタイルは、さながら自由な実験室のようであり、とても心地の良い場所だった。
 最後に彼らのWebサイトにある文章を転載する。最高だよな。

Hi, we are Liz and Edial. Since late 2021, we have made beers, natural wines and ciders together. We make tasty beverages to enjoy with friends and loved ones, using local ingredients, funky yeasts, and open minds.

Okidoki is very small, and this allows us to focus on things that matter to us: we just make things we care about! We experiment, we use as many local bio-dynamic ingredients as possible, and we contribute to things that matter to us and communities we care about.

What’s next? We plan to go with the flow and to see where our experiments take us, but we'll always be releasing a lot of new things, and our instagram is definitely the best way to see what's upcoming. You can always get in touch with us too if you have any questions, concerns or ideas you want to share.

たくさんのお土産をいただいた。ありがとうございました!
Liz and Edial, thank you for your kindness!!

salo Owner & Director
青山 弘幸
instagram :https://www.instagram.com/salo_kamakura
facebook : https://www.facebook.com/aoyamahiroyuki

引き続きお酒に関わる出会いやご縁を探しています。また応援のメッセージもとても嬉しいです。もしご興味を持っていただけたらお気軽にご連絡いただけますと幸いです。

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