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#9 ヨーロッパ研修記 〜ランビックを巡る旅(3 fonteinen編)〜

 カンティヨンに続き、訪れたのは3 fonteinen(ドリー・フォンティネン)。

 ベルギーではブリュッセルの都市部から少し離れただけで、基本的に無人駅になる。そして日本のように駅前にコンビニやらファストフード店が立ち並ぶようなことはなく、いわゆる住宅街のような雰囲気がつづく。

 3 fonteinenのあるLotという駅も例外なくそうで、閑散とした郊外の住宅街の雰囲気が漂う。(それでもユーロスターの発着駅であるBrussel-Zuid/Midi駅から10分ちょっとにも関わらず。)

 最寄り駅から10分弱歩くと、3 fonteinenが見えてくる。

 前日には、特に歴史があり、コンパクトなカンティヨンを訪れていたこともあってか、まずその大きさと綺麗さに驚く。入ってすぐのテイスティングルームはまるでレストランのようで、今日は小雨の降る日だったが、屋外でも飲めるスペースもある。晴れていればさぞ気持ち良いだろう。

 3 fonteinenもカンティヨンと同様にブルワリー内の見学を受けつけている。(なお正確にいうと、この場所はランビックを熟成させたり、ボトリングが行われるオードルームという場所で、初期段階のプロセスである醸造に関しては別の場所で行われている。)

 しばらくすると僕を含めた数人で見学ツアーが始まる。3 fonteinenの歴史、製造における原料を仕入れるパートナーの話、そしてランビックが出来上がるまでの細かなプロセスの話がつづく。

 写真の通り、その中は非常に大きく、まるで何かの工場のようで、容量4000Lもの巨大な樽が所狭しと並ぶ。しかしそれでも、原料は地元パートナーから仕入れて仕込む。丁寧な説明に地元とパートナーへのとてもつよい愛情が感じられる。

 なおランビックなのにステンレス樽があるのは、クリークなどのフルーツを使ったフルーツランビックの場合、オーク樽だと品質がぶれやすいようでこうするそうだ。なお3 fonteinen以外のランビックの醸造所でもやはりフルーツランビックについてはステンレスやプラスチック製のコンテナで熟成をさせていた。

 ランビックは秋から冬にかけてのこの季節がまさしく仕込みの季節。とても運の良いことに元気に発酵するランビックを見ることができた。

 また圧巻だったのが、この熟成中の大小さまざまな樽が置かれているスペースにある瓶詰めされたランビックの保存庫。そこには途轍もない量のボトリングされたランビックが並ぶ。
 残念ながらその様がわかる写真を撮ることを失念してしまったのだが、一般的には出荷をしないヴィンテージをもストックしているらしく、その圧巻の規模だけではなく、ランビックの世界そのものを大きくアップデートするようなつくり手であることが、強く印象に残った。

salo Owner & Director
青山 弘幸
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