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短篇集『ヘンルーダ』松岡千恵

〈内容〉

短篇集です。
書店員さんのお話や、女の子同士の友情のような関係性を描いたお話、不思議な関係の四姉妹のお話など5編が収録されています。

〈感想〉

ジャンルに分けることができないと思いました。読後感も今までにない感じです。

不思議な想像上のお話のように感じるけれど、エッセイのようにも感じられて、最後のお話は特に、不気味っぽいけど気持ち悪くないというところが独特でした。登場人物の名前が頭文字だったりと匿名性があり、表現や構成が幻想的でありながら、急に具体的な名前(『赤毛のアン』など)が出てくるので、現実に戻される感じが面白いです。

また、装丁が美しく、上と横でカバーと紙が同じ長さにカットされていて、触り心地が良いです。カバーの厚紙の硬さも良い❣️ (チリなし上製本というらしい)
カバーの厚さとまっすぐなカットによって、本を閉じた時に中の空気がシュっと出て、密閉されたような感覚になるのが心地良いです。
(→あとから夏葉社の島田さんが立ち上げた別レーベルであると知って、納得しました。)

参考文献のページに『蛇にピアス』と『ゲゲゲの鬼太郎』があって驚きました。鬼太郎好きなのですが、どこに鬼太郎がいかされていたんだろう?どの部分で参考にしているんだろう?と考えるのが楽しいです。

装丁含めて、すりすりしたくなるくらい愛おしい本です🥰

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