見出し画像

高いコートを買うためにあーだこーだ理由をつけるんじゃねえ

外出の機会が減ったからとカッコいい服や靴を見つけても「着る機会がなぁ……」つって買い控えるのはどうにもさみしくねえか。お前はただ安心安全に生きてりゃいいのかって。


そんな葛藤のなか、これまでセールはやらないと公言していたバリ硬派な店から対象商品30%OFFのメールが来た。おぉどしたん…と面食らいながらも前々から狙っていたとある激マブステンカラーコートに思いを馳せた。

「あれも対象になるのか……しかしだな……」

というのも今秋、同じブランドの同型で異素材異色のステンカラーコートを購入したばかりだった。ハイブランドじゃないので高級品というわけではないが軽々しく買える価格でもない。こいつもまだ数えるほどしか着ていないのだがとにかく欲しいものは欲しい。


掲載ページを舐めるように見る。少し角度を変えて見る。カッコいい。イイ男はどんな角度から見ても腹が立つくらいイイ男だ。一度ページを閉じて冷静になろう。もう一度開く。カッコいい。でもこの色は似合わないかもしれない。想像してみる。カッコいい。絶対似合う。そもそも素材が違うのだから型が同じだろうがこれはもう別物だ。きっと暖かいだろうし真冬もいけるだろう。カッコいい。買う。カートへ入れる。いやちょっとまってもう少し落ち着きたい。一晩寝かせてみよう。明日の仕事が終わったら買っちゃおう。


sold out。

ちくしょう。


生きるために必要な物なんて突き詰めればそんなに無いんだろうけどさ、どんなに無駄遣いと言われてもアイツがあったらきっともっと幸せになれたはずだ。「むむむっ…!」と頭を悩ませる魅惑のブツはいつも少しだけお高い。しかし生活に困らない程度ならば迷う必要があるか。若いころなんて生活を切り詰めて欲しいものを買っていたはずだ。バイトで金を貯めて数万円のコートを買った高校生の頃の自分が愛しい。今のおれなんてバカたれのしみったれのくそつまらん平凡な中年だ。アホアホマンにアホって言われるくらいアホだ。またコスパなぞくだらないことを考えるようではだめだ。だいたいコスパとはなんぞや。着る回数、値段に対して、安物ならどうせ着なくなってもいい、んなわけあるかボケ。気分や勢いに流されてせいっ!と購入してしまうのが良い。そうした祭りをオイサオイサと楽しんで行けば良い。老後に備えて2000万円貯めれば安泰です。んなわけあるかボケ。自社ビル建てて裕福に暮らしていても老後は全て失い生活保護を受け孤独に死んでいく人だって珍しくないんだ。


buy or die。金を使うべきはいつだってナウなのよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?