見出し画像

円安トレンド再開?

4月末、まさかの1ドル130円台を突破して、1ドル131円をつけた後、少しモタモタしてから1ドル126円まで回復したものの、今日現在1ドル134円台まで悪化しています。

どうやら、また1ドル135円台へと円安が悪化していきそうな感じです。

下記のチャートの右端の現在価格当たりを見れば、ドル円の現状の流れが分かります。

Investing.comより引用

ここ最近、円安の動向を注視していますが、それには2つの大きな理由があります。

1つは、現在の円安は、まだまだ悪化しそう。

2つ目は、この円安は、私たち日本人にとって非常に悪い事。

だからです。

まず1つ目の、まだまだ悪化しそう…、という点については、そう思う理由は簡単で、日米間が真逆の金融政策をとっているからです。

日本は量的緩和政策中で、市場にじゃぶじゃぶお金をバラ撒いているので円の価値が下がります。

反対に米国は、すでに急ピッチな利上げ政策を実施中で、さらに今月から、市場に出回っているお金を回収するために量的な引き締めが開始されています。

日本がお金をバラ撒く一方、米国はお金を回収していく…。

日本の円は金利ほぼ0の一方で、米国のドルの金利は0.25%⇒0.75%⇒1.25%と、どんどん引き上げていき、年内に2.5%〜3%くらいまで引上げようと考えています。

もちろん、金利を引き上げているのが新興国の場合なら、話は変わってきますが、それを実行しているのがGDP世界No.1の米国であるならば、どちらの通貨の価値が上がり、どちらの通貨の価値が下がるのか、火を見るより明らかです。

このまま下手をすれば、年内に1ドル140円台といった状況になるかも知れません。

そして、2つ目の理由。

この円安は、私たち日本人にとって非常に悪い事。

今の円安は、ある程度のところで一時的に落ち着く可能性はあります。

それは、米国の利上げや金融引き締めは、40年振りのインフレを抑えるためにやっている事であり、インフレが収まれば利下げをしたり、量的引き締めをストップしたりする可能性が高いからです。

そして、何れは、そういう落ち着く日は来ると思います。

しかし、ある程度、円の価値が回復したとしても、1ドル140円台あるいは150円台まで円安が悪化した後に、また1ドル110円台にまで戻ってくる可能性はかなり低いでしょう。

1ドル140円ないし150円から再び110円台へと回復するには、円が圧倒的に強い何かしらの理由が必要になってくるか、あるいはドルが圧倒的に弱い理由が必要になります。

しかし、残念ながら、今のところ円が圧倒的に強くなる理由は見当たりません。

つまり当面の間、1ドル120円、130円をつけた後に、130円を下回る展開は、発生しづらいと思われます。

1ドル110円⇒130円、140円台になる…。

これは海外旅行に行く時に割高になるから、海外旅行に行く頻度を控えれば別に問題ない…、といった次元の低い話ではありません。

食品やエネルギー等、ありとあらゆるものを輸入に頼っている日本において、円の価値が国際的に下がるという事は、“物の値段が全体的に上がっていく事を意味し、日常の生活が大打撃を受ける”という事です。

それも“待ったなし”で、どんどん上がって行く可能性もあります。

もちろん、明日すぐにそうなるとか、そういう事ではありませんが…。

かつて1ドル350円の時代があったように、気がつけば1ドル200円、それ以上に悪化しているという状況になる可能性は十分に有り得ます。

個人的には、現実的に、そう遠くない日に起き得るのではないかと思っています。

そういう時点からすれば、今の1ドル130円近辺の価格は、まだ円の価値が高かった…、と言えるかも知れないという事です。

だから、あなたも資産の一部を円からドルに転換しておいた方が良いでしょうし、変えたドルで米国株に投資をしても良いでしょう。

今、米国株は年始から大きく下落していますが、これは視点を変えれば、優良な企業の株も割安で買いやすい価格に落ちて来ている事も意味しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?