2019.8.7 日本独立と戦後~独立の代償と3つの条件~
「名目的な独立はさせても実質的な占領は続ける」
米国による占領が終わり日本が独立する際、元アメリカ国防長官であったジョン・フォスター・ダレスはそう語ったといいます…。
日本独立3つの条件と現在も残るアメリカによる占領
1951(昭和26)年9月8日、サンフランシスコ
日本の首相である吉田茂が「サンフランシスコ平和条約」にサインをし、日本は独立を果たしました。
しかし、アメリカが吉田にサインさせたかったのは、「平和条約」ではありませんでした…。
それまで、7年間の日本占領期間で、GHQは日本の文化、日本の強さを徹底的に破壊し、日本が二度と立ち上がれないようにするつもりでした。
しかし、その目算はすぐに狂いました。
平和憲法9条の名の下に、日本を二度と再軍備させないつもりだったアメリカの戦略は、朝鮮戦争により崩壊。
マッカーサーは自ら作った憲法9条を新しく「解釈」し、日本を朝鮮戦争の軍事基地にするよう方針転換しました。
そこに日本国民の意思など微塵もありません。
軍事基地として、共産圏からの砦とするためには、日本を独立させてある程度、経済的にも軍事的にも強くなってもらった方がいい。
日本の独立は全てアメリカの都合、アメリカの外交戦略によるものでした。
事実、独立交渉に日本人は一人も参加していません。
日本独立の引換条件は、永久に「アメリカの衛星国」になる支配の条件でした。
1951年、吉田がサンフランシスコ平和条約にサインして、日本独立を勝ち取った。
式典でサインが終わった直後、吉田は軍の士官が使う小さなクラブに連れられました。
そこで、安全保障条約にサインするように言われました。
日本国民やアメリカ以外の連合国には秘密の条約でした。
安全保障条約は、日本列島に米軍の基地を永久に好きなだけ駐留させる条約でした…。
実際、これらの条約には3つの条件があり、それは現在においても続いています。
1.日本には名目的な独立は与えるが、アメリカによる実質的な占領は続ける。
2.実質的な占領状態を続けるために、日本国内のいかなる場所であれ、アメリカが好むように好きなだけ使うことができる。それに対して、日本政府は拒否権を持たない。
3.日本の自衛隊には、アメリカの補助部隊として機能する能力は与えるが、攻撃能力は一切持たせない。
日本は憲法9条により自衛もできない国家になり、日本を守るのは駐留している米軍だと言う理屈ですが、実質的には、その後も永久に日本を支配する巧みな戦略でした。
事実、条約発効時から60年以上も経った現在でも、在日米軍の主要な基地は返還されていません。
占領時から現在まで、ただの1ミリも変わっていません。
当時、日本の新聞はそんなことも知らず、「主権は完全回復」とか「講和条約きょう晴の調印式」などといった記事が掲載されました。
その後50年、60年、70年と親から子へ、子から孫まで、私たちを含む全ての日本人が「平和教育」を受け、最早その事態に疑問すら抱かなくなりました。
これによりアメリカの日本占領は、完全な形で完結しました。
歴史を知らなければ永久に続くアメリカによる日本支配はいつまで続くのか?
現代の私たちや私たちの子供たちが「普通」だと考えている情景。
それらは、アメリカが作り上げた「異常な」情景です。
しかし、小学校から大学まで徹底的に教育された私たちは、その「異常さ」に気付くことすらできなくなったのでしょうか?
終わらない沖縄基地問題、取り戻せない北朝鮮の拉致被害者たち、北方領土、実効支配されてしまっている竹島、明らかに奪い取られても今のままでは何もできないであろう尖閣諸島、これらは全て本質的な原因が語られることなく、表面的な事ばかりではないでしょうか。
70年経ってもアメリカの支配は終わりません。それは目に見えない形で今も続いています。一般国民が気付くことも、ほとんどなく…。
誰の目にも見えて気付いた上で、インドの植民地支配は250年続きました。
それとは逆に気付くことが難しい今のアメリカによる日本支配は、いつまで続くのでしょうか?
過去を遡って歴史を知らなければ、永久に続くこともあります。
歴史を学ばなければ、私たちは植民地の奴隷と同様のまま過ごすことになる、と言っても過言ではないと言えるのではないでしょうか。
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